研究課題/領域番号 |
24500285
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
石井 直宏 愛知工業大学, 情報科学部, 教授 (50004619)
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研究分担者 |
鳥居 一平 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (50454327)
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キーワード | 非対称性神経回路 / 非線形性の回路 / ベクトルの生成 / ベクトル場 / 階層性の神経回路 |
研究概要 |
本研究では網膜、視覚系大脳皮質V1 野、MT 野などに見られるミクロなネットワークであるがこれら各々の部位の共通の基本構造と見なされる非対称性でかつ非線形性の回路構造がV1 野での動きに対するベクトルの生成、MT 野での冗長性を有した、より強いベクトルの生成とオプテイカルフローを考慮したベクトル場の生成を示し、そして、MT 野に続くMST 野でのベクトル場の生成を、これらの構造と新たに展開する方法論から導き出される機能を計算論的に明らかにすることである。本研究では、入力刺激の強度変化の検出および動きのある刺激の方向性の検出が生物系の網膜に見られる非対称構造のネットワークの高い能力によって、検出されることを明らかにした。われわれの今まで研究では方向性を持ったベクトルの生成が非線形性を有する非対称性ネットワークで実現できることを計算論的に明らかにしてきたが、米国のProf.HeegerらのV1モデル、それに接続するMT野のモデルでは、MT野での方向性の持つベクトルがより、大きくかつより密なベクトル場の生成することを計算論的に示した。本研究では、さらに方向性の刺激の方向が変わることに追従したベクトル生成が英国のProf.Beckらの神経正規化回路の作用を取り入れることによって、ベクトル場に変化する方向性のベクトルの接続を感じ取り、ベクトルの回転の作用を取り入れたストークスの定理が実現されることを示した。このことはこの非対称神経回路でのオプテカルフローの回転ベクトルなどの生成を示すことになり、ベクトル場としての役割を示唆するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で取り上げた非対称構造を持つ神経回路がProf.HeegerらのV1モデル、それに接続するMT野のモデルでは、MT野での方向性の持つベクトルがより、大きくかつより密なベクトル場の生成することを計算論的に示した。さらに方向性の刺激の方向が変わることに追従したベクトル生成が英国のProf.Beckらの神経正規化回路の作用を取り入れることによって、ベクトル場に変化する方向性のベクトルの回転の作用を取り入れたストークスの定理が実現されることを示した。このことはこの非対称神経回路でのオプテカルフローの回転ベクトルなどの生成を示すことになり、ベクトル場としての役割を示唆するものであり、おおむね目標に近い結果となるが、詳細な条件の付加および定量的な検討など残された課題である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では方向性を持ったベクトルの生成が非線形性を有する非対称性ネットワークで実現できることを計算論的に明らかにしてきた。そして、米国のProf.HeegerらのV1モデル、それに接続するMT野のモデルでは、MT野での方向性の持つベクトルがより、大きくかつより密なベクトル場の生成することを計算論的に示したが、定量的な研究が残されたテーマである。また、ベクトルの回転の作用を取り入れたストークスの定理が、非対称神経回路実現されることを示したが、ここでの詳細な条件の付加および定量的な検討が残されている。このため、最終年度は定量的な検討を重点的に行うため、本年度の繰越金に加えた予算を用いて、シミュレーションの実施を繰り返し、行いたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究の非対称構造のニューラルネットワーク2層構造における刺激に対応した回路網でのベクトル生成および回転を含むベクトル場の生成の大規模なシミュレーションがソフトウェアの観点から、完全でなく、このための費用が残されてしまった。このシミュレーションに詳細な条件を付加しての実験シミュレーションも残された課題であり、このための費用も次年度で、必要とされる。 本研究の2層構造における刺激に対応した回路網でのベクトル生成および回転を含むベクトル場の生成のシミュレーションを行う。さらに、各種の付加した条件下でのシミュレーションも26年度に行う予定である。さらに、最終年度の研究成果の発表のため、いくつかの関連国際会議での発表のための登録、交通費およびジャーナルでの発表の費用として使用させて貰いたい。
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