研究課題/領域番号 |
24500289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
富田 康治 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (80357574)
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研究分担者 |
黒河 治久 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (70356947)
神村 明哉 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (70356822)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 自己組織化 / 振動子 / グラフオートマトン / 動的ネットワーク / 複雑系 |
研究概要 |
グラフオートマトンは、構造を変化させるルールと、ルールの適用を制約する構造との間の相互作用を記述する数理モデルである。これは静的な格子構造の上での格子点における状態変化を扱うセルオートマトンを、動的なグラフ構造に拡張したものといえ、より豊かな表現力をもつ。この枠組み上の構造の生成とその解析に関する研究を発展させ、局所的に周期的動作する構造がグラフ上に分散し相互作用する系の自己組織過程を考え、動的な構造の自己組織化の研究に資することが本研究の目的である。 このような場合、振動子のネットワークに位相関係を形成するという自己組織化と、グラフ構造によって振動子を形成する形成するという自己組織化が同時に起こる。単純な場合として、各ノードを振動子として取扱い、各々がパルス結合された場合の振る舞いを検討した。周囲のノードが局所的に同期した時に限りグラフオートマトンのルールを実行するというモデルを想定して、これらを実験するためのシミュレータのプロトタイプを試作し、基本的な動作を確認した。ただし、モデルの改良、ルールセットの検討は今後の課題である。 また、これらの応用への検討の一部として、均質な機械的構成要素に対する自己組み立て、自己複製のための様々な手法を提案し、比較検討した。具体的にはランダムな摂動による方法や、構成要素を集めて結合することによる万能組み立て器に基づく方法などを検討し、統一的な取扱いが可能であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シミュレータのプロトタイプを作成し、いくつかの基本モデルについての検討を行うことができ、概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
理論研究として動的グラフ振動子系に関して数理的・理論的解析を進めるととともに、シミュレーション研究では前年度に試作したシミュレータを用いて、さまざまに条件を変化させた上での振舞いをシミュレートすることにより、典型的な例を抽出する。また、これらを元に、シミュレータの改良を進める。 また、モジュラーロボットやLEGO MINDSTORMS のようなキットに組み込むことを考慮して、グラフオートマトンによる振動系と移動ロボットなどの機械系を結合した系についての動力学シミュレーションの検討に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
外国出張のための旅費に使用予定。
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