研究課題/領域番号 |
24500291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
関 洋平 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (00348468)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 顔文字推薦 / コミュニケーションタイプ / 感情推定 / イラスト投稿者の検索 / 印象推定 / 発話内行為 / 読者間コミュニケーション支援 / クエリ拡張 |
研究概要 |
今年度は,ジャーナル論文2本,査読つき国際会議1本(別に1本採択決定),解説記事1本,招待講演1本,査読つきシンポジウム2本,他国内会議6本の発表を行い,情報処理学会 山下記念研究賞を受賞するなど,十分な実績を上げた.特に,平成25年度に予定していた感情・コミュニケーションの自動推定や,人物の検索支援応用,コミュニケーション支援についての研究を重点的に進めた. 現在,マイクロブログなどのメディアで,顔文字は日常的に使用されている.顔文字は,言語コミュニケーションで表現できない,ユーザの感情やコミュニケーションの意図を表すのに便利であるが,反面,その種類は膨大であり,場面に合った顔文字を選ぶことは難しい.そこで,ユーザが入力したテキストに現れる感情,コミュニケーション,動作のタイプ推定を行い,顔文字を推薦する方法を提案した.本研究は,言語処理学会論文誌にジャーナル論文として採択された. また,SNSの普及に伴い,SNSを創作活動の場として利用するコンテンツ制作者も増加している.その中でも,動画やイラスト等のコンテンツを投稿・共有するSNSにおいては,知名度の高い投稿者に対して,企業などが制作物の作成を依頼するという動きが活発に行われている.しかし,既存のイラストレータ検索は,人手でデータを登録するため,SNSに見られるような多数のイラスト制作者に対応することは困難である.そこで,イラスト共有SNSの1つであるPixivに着目して,各投稿者が描いたイラスト群に含まれるタグからその投稿者の印象を推定し,イラスト投稿者を検索する手法を提案した. その他にも,大量のブログデータを利用した発話内行為の自動推定に基づく対話支援に関する研究や,読者間コミュニケーションを目的とした付箋型インタフェースの研究,Yahoo!知恵袋データを利用したクエリ拡張の研究を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
やや計画が前後しているが,当初の予定のマイクロブログの感情・コミュニケーション推定を利用したコミュニケーション支援への応用や,SNSにおける人物検索の応用に関する研究は進んでおり,ジャーナル論文などの成果も上がっていることから,おおむね順調に推移していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
SNSにおける人物検索の応用については,さらに研究を発展させていきたい。また,当初の平成24年度の予定にあった人物の周辺文脈を考慮した属性推定に関する研究についても成果をあげていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末(3月)に出張が集中したため,支払いが4月以降になったことによる。 4月の支払いで昨年度分の予算はほぼ消化予定のため,研究計画に変更はない。
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