研究実績の概要 |
平成26年度は「図書館サービスの揺らぎと挑戦:21世紀についての各論研究」に力を注いだ。連携研究者の呑海沙織(筑波大学)が「大学図書館におけるラーニング・コモンズの溶解」、研究協力者の安里のり子(ハワイ大学)が「学術情報流通の電子化と図書館員の対応」、久野和子(本年度から神戸女子大学)が「場としての図書館」、さらに福井佑介(京都大学大学院教育学研究科博士課程・学振特別研究員)が「『情報や思想のひろば』をめぐる法的判断の思想的変容」、嶋崎さや香(京都大学大学院教育学研究科博士課程)が「図書館史研究の転換」を執筆した。 また8月に京都大学で国際図書館フォーラムを開き、相関図書館学方法論研究会のメンバーである連携研究者の吉田右子(筑波大学)、小林卓(実践女子大学)、研究協力者の安里のり子、久野和子、さらに研究会メンバーの中山愛理(茨城女子短期大学)が相互に批判的検討を行った。研究会のメンバーには個別業績を社会に還元することを奨励しており、研究代表者の川崎が関わるものに絞っても、査読論文「日刊新聞、階級、図書館の空間配置:19世紀後半のアメリカ公立図書館を例に」(『図書館界』)、図書『20世紀アメリカの図書館と読者層』(川崎良孝・嶋崎さや香・福井佑介訳)、学会発表「図書館トリニティの時代から揺らぎ・展開の時代へ」(招待講演, 上海市図書館学会)などがある。詳しくは「11. 研究発表」を参照されたい。 当初の計画どおり、本プロジェクトの最終的な成果は、川崎良孝編著『図書館トリニティの時代から揺らぎ・展開の時代へ』(京都図書館情報学研究会発行, 日本図書館協会発売, xxxiv+497p)として、2015年2月に刊行できた。また3月には明治大学で研究会を開催し、成果の合評を行った。
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