本研究は、映像アーカイブについて、地域における活用という観点からその存在意義に光を当てるものである。これまでの三年間で、主に横浜、神戸、新潟、北海道夕張市、仙台を拠点とした東日本大震災被災地域など国内複数の地域を対象に、各々で試みられているアーカイブの構築・活用に関わるプロジェクトを具体的に支援し、それらの活動の意義をコミュニティ・デザイン/ソーシャル・デザインの観点から評価を行ってきた。さらにそこから生まれた知見の相互連携、人材交流、技術的・知的基盤のあり方を検討し、記録と記憶の関係を生態学的に捉える新しい「アーカイブ学」の理論的アプローチを進化させることに到達した。
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