東日本大震災という事例において、サバルタン(社会的、言説的弱者)と考えられる人々がメディアによって創出されたことを明らかにするとともに、メディアにおいてその状態を解消するための理論的および実践的研究を行った。理論研究においては、サバルタン研究にメディア研究の視座を導入することによって、サバルタンの語りの可能性が出てくることを明らかにした。また、実践研究では、サバルタンが語るためのメディアのデザインとして、他者を前提としない「第三者的」メディアの必要性と、受け手の一方的な受容や解釈をあらため、サバルタンと対話可能な〈あいだ〉または〈すきま〉を有するメディアのデザインの必要性について明らかにした。
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