研究課題/領域番号 |
24500314
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
小林 稔 和光大学, 経済経営学部, 教授 (50287926)
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研究分担者 |
西岡 久充 龍谷大学, 経営学部, 専任講師 (10513757)
小林 猛久 和光大学, 経済経営学部, 准教授 (40434211)
杉本 昌昭 和光大学, 経済経営学部, 准教授 (90318725)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 知的財産権 / 著作権 / デジタル化 / コピー制限 / コンテンツ共有サイト / YouTube / 経済価値 |
研究概要 |
本研究では、まず知的財産の経済価値を分析するために著作権に着目し、特にDVD、音楽CDなどデジタル化された著作物の中から関連資料等を詳細に調査した上で分析対象となる著作物を選択し、同時に当該著作物の著作権者である企業の財務データの分析や取材調査などを通して当該著作物の経済価値の推定を行う。 一方、著作権の経済価値を分析するモデルの構築を基礎として、デジタル化された著作物のコピー制限に関する分析モデルを検討し、コピー制限の有無と著作権の経済価値との相関を分析するためのフレームワークを構築していく。さらに、YouTube などのコンテンツ共有サイトが著作権の経済価値に与える影響を分析するためのモデルを構築する。 平成24年度は、研究対象とする著作物、企業の選定を進め、デジタル化された著作物に関する各種情報、有価証券報告書などの資料収集、研究対象とした著作権の詳細調査、有価証券報告書の調査及び企業への取材調査を通して企業の財務データの整理を行い著作権の経済価値を分析した。一方、デジタル化された著作物のコピー制限が著作権の経済価値へ与える影響を分析するためのデータを収集し分析を行った。さらに、YouTube などのコンテンツ共有サイトが著作権の経済価値に与える影響を分析するための方法論を検討し、プロトタイプとなる分析モデルを試作してその妥当性を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で分析対象とした企業の財務資料の収集、財務データの分析などの作業が予定よりかなり時間を必要としたため、その影響で研究対象の著作権の詳細調査および企業への取材調査が当初の計画より遅れている。 また、YouTube などのコンテンツ共有サイトが著作権の経済価値に与える影響を分析するための方法論を検討し、プロトタイプとなる分析モデルの試作とその妥当性を検証しているが、最適な分析モデルの構築に若干の遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、研究対象をDVD、音楽CDなどデジタル化された著作物として、引き続き著作権の経済価値の分析を行っていく。特に、24年度で分析した著作権の経済価値の妥当性を検討していく。また、国外の企業の著作権についても取材調査を行い、必要なデータを収集して著作権の経済価値を算出し、国内企業の場合における結果と比較検討を行う。そして、国内と国外の企業間で著作権の経済価値にどのような相違がみられるのか検証する。 さらに、研究に必要な著作権に関する資料や有価証券報告書などの企業の財務データ、これまでの分析結果などを蓄積し有効利用するためのデータベース・システムの整備を進めていく。この過程で、補足的なデータ取得のため取材調査を実施して、公表データでは得られない情報の収集を進めるとともに、企業の知的財産戦略についても検討を加える。 一方、YouTubeなどのコンテンツ共有サイトがコンテンツの経済価値に与える影響を分析するための方法論を確立し、最適な分析モデルを構築していくことを目標とする。 なお、ここまでの研究成果については学術論文、学会発表などで積極的に公開していく。 研究の分担は、小林稔(研究代表者)は、研究総括、デジタル化された著作物の資料収集および調査、国内及び国外企業への取材調査、基本モデルによる著作権の経済価値の算出、算出結果の妥当性の検討、学術論文の作成、学会発表などを担当する。杉本(研究分担者)は、著作権の詳細調査、有価証券報告書など企業データの分析を、西岡(研究分担者)および小林猛久(研究分担者)は、国内及び国外企業への取材調査、学術論文の作成、学会発表などを担当する。なお平成25年度は、上記のように国外の企業の知的財産に関する情報を収集する必要があり、調査・研究のための海外出張を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究分担者の杉本昌昭(和光大学)が進めている著作権の詳細調査の一部分が時間的に遅れたため、当該部分を次年度に実施する計画となり関連する研究費4820円を「次年度使用額」として計上した。したがって、次年度に請求した研究費についてはこれまでの計画通り使用することとし、研究分担者である杉本昌昭(和光大学)はその他に著作権の詳細調査を継続するために「次年度使用額」として計上した4820円を使用する。
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