研究課題/領域番号 |
24500314
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
小林 稔 和光大学, 経済経営学部, 教授 (50287926)
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研究分担者 |
西岡 久充 龍谷大学, 経営学部, 講師 (10513757)
小林 猛久 和光大学, 経済経営学部, 准教授 (40434211)
杉本 昌昭 和光大学, 経済経営学部, 准教授 (90318725)
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キーワード | 知的財産権 / 著作権 / デジタル化 / インターネット / YouTube / コンテンツ共有サイト / コピー制限 / 経済価値 |
研究概要 |
本研究では、知的財産の経済価値を分析するために著作権に着目し、まずDVD、音楽CDなどデジタル化された著作物の中から分析対象となる著作物を選定する。分析対象として選定した著作物については、著作物の内容、特徴、注目度など詳細な調査を行うとともに、著作権者である企業の財務データの収集および分析や取材調査などを通して当該著作物の経済価値の推定を行う。 一方、著作権の経済価値を分析するモデルの構築を進めて、デジタル化された著作物の経済価値ならびにコピー制限に関する影響の分析を行う。その結果からコピー制限の有無と著作権の経済価値との相関を検討するためのフレームワークを構築していく。さらに、YouTube などのコンテンツ共有サイトが著作権の経済価値に与える影響を分析するためのモデルを構築していく。 平成25年度は、24年度に続き研究対象とする著作物、企業の選定を進め、デジタル化された著作物に関する各種資料、有価証券報告書などの収集と分析、研究対象とした著作権の詳細調査、国内外の関連企業や関連組織への取材調査を通して著作権の経済価値について考究した。 一方、デジタル化された著作物のコピー制限が著作権の経済価値へ与える影響を分析するためのデータを収集し分析を進めた。さらに、YouTube などのコンテンツ共有サイトが著作権の経済価値に与える影響を分析するための方法論を再検討して、24年度に続き分析モデルの試作とその妥当性を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を推進する過程で、特に分析対象とした企業の財務資料の収集、財務データの分析、取材調査などの作業が予定よりもかなりの時間が必要となり、その影響で研究対象の著作権の詳細調査および経済価値の分析、その成果の学会発表、学術論文の作成および公開が当初の計画より遅れている。 また、YouTube などのコンテンツ共有サイトが著作権の経済価値に与える影響を分析するための方法論を検討し、分析モデルの試作とデータ分析を進めているが、分析モデルの最適化ならびに分析結果の妥当性の検討などに若干の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、前年度までの実績を踏まえて引き続き著作権の経済価値の分析を行っていく。また、本研究の最終年度となるため、これまでの研究成果を関連学会にて報告するとともに、学術論文の作成と公開を行っていく。著作権の経済価値については、新たなデータを収集して分析モデルによる検討を進めるとともに、前年度までに分析した結果の妥当性を検証していく。また、国内外の企業の著作権についても取材調査を行い、必要なデータを収集して、多様なケースにおける著作権の経済価値を算出し、前年度までの分析結果と比較検討を行う。その結果から、国内外の企業間で著作権の経済価値に関してどのような相違が存在するのかを検証する。さらに、研究に必要な著作権に関するデータ、資料やこれまでの分析結果などを蓄積し有効利用するためのデータベース・システムの整備を進めていく。 一方、YouTubeなどのコンテンツ共有サイトがコンテンツの経済価値に与える影響を分析するための方法論を確立し、最適化した分析モデルを構築し、コンテンツ共有サイトが著作権の経済価値に与える影響を詳細に分析していく。 研究の分担は、小林稔(研究代表者)は、研究総括、デジタル化された著作物の資料収集および調査、国内及び国外企業への取材調査、基本モデルによる著作権の経済価値の算出、算出結果の妥当性の検討、学術論文の作成、学会発表などを担当する。杉本(研究分担者)は、著作権の詳細調査、有価証券報告書など企業データの分析を、西岡(研究分担者)および小林猛久(研究分担者)は、国内及び国外企業への取材調査、学術論文の作成、学会発表などを担当する。なお平成26年度は、上記のように国内外の企業の知的財産に関する多様な情報を収集する必要があり、調査・研究のための国内および海外出張を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究分担者の小林猛久が著作権の経済価値に関する取材調査のための出張を予定していたが、学内の緊急を要する業務が発生したため平成26年度に延期せざるを得なかった。そのための旅費が40700円次年度使用となった。 また、研究分担者である杉本昌昭が著作権の経済価値に関する資料を収集する予定であったが、必要な資料の収集に予想以上の時間がかかり平成25年度内には困難となったため、必要となる資料収集は平成26年度に延期することになった。このために物品費が4020円次年度使用となった。 研究分担者の小林猛久が著作権の経済価値に関する取材調査のための出張を平成26年度に実施する。そのための旅費として40700円を使用する計画である。 研究分担者である杉本昌昭が平成26年度に著作権の経済価値に関する資料を収集する。このために物品費として4020円を使用する計画である。
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