ハトもヒトと同様にカニッツァ錯視を知覚し,明るさを充填しているか明るさの弁別課題を用いて検討した。その結果,ハトはカニッツァ図形の検査野をヒトとは異なり暗く知覚していることが示された。また,ハトが錯視的な輪郭を知覚するか視覚探索課題を用いて検討した。先行呈示された錯視図形の形状とターゲットの形状が一致していた場合,反応時間が短くなるか調べたところ,実輪郭図形によるプライミング効果自体が見られたセッションに限ってカニッツァ図形による実輪郭図形探索の促進効果が見られた。ハトは,カニッツァ錯視を知覚するが,ヒトとは明るさの充填の点においてヒトとは異なっていた。
|