生後の発達期に単一方位の視覚入力のみを与えてネコを育てると経験した方位に応答する細胞が優位に増加する方位の過剰表現が起こることが知られている。こうした過剰表現が起きた動物では、経験した方位以外の方位刺激をどのように捉えているのかが疑問となっていた。この問題に理論的に応えるために、網膜に入力された視覚像を再現するデコーディングモデルを構築し、自己組織化モデルで得られた方位マップに適用した。正常飼育の場合は、入力像とデコード像との類似度(SI)は、細胞の方位選択性が鋭敏になるに伴い大きくなり、縦縞の視覚経験の場合は、水平方向の入力のSIの値は垂直方向よりも低いが、予想よりも良く再構成されていた。
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