研究課題/領域番号 |
24500325
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
右田 正夫 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70335157)
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研究分担者 |
森山 徹 信州大学, 繊維学部, 助教 (20325898)
丸山 慎 駒沢女子大学, 人文学部, 講師 (60530219)
古山 宣洋 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20333544)
三嶋 博之 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (90288051)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 触知覚 / アクティブ・タッチ / 比較認知科学 / 生態心理学 |
研究実績の概要 |
神経系の複雑さが大きく異なるヒトデ、ダンゴムシ、ヒトの触知覚に基づく行動について、前年度までに引き続いて実験・解析を進めた。 ヒトデに関しては、前年度までに起き上がり行動の解析とそのモデル化を行ってきたが、起き上がり過程を探索フェーズと実行フェーズからなるものと見た場合、現実のヒトデでは基質を触覚的に探索するフェーズが長く、より広範な行動の可能性が探られていることを指摘し、日本動物行動学会第33回大会において発表した。 ダンゴムシについては、これまでに確認された「ダンゴムシの交替性転向反応において、時折出現する方向転換が反復性転向反応を修正する機能を有すること、および、修正後に交替性転向反応の出現率が向上すること」を再確認する実験を実施し、第62回日本生態学会大会において研究発表を行うとともに原著論文を学術誌へ投稿した。 ヒトの触知覚に関する研究として、被験者の指先で紙やすりの肌理の粗さを弁別する実験的検討を継続した。本年度は、昨年度において再検討した実験方法(一対比較)および被験者の指の動きを記録するための撮影機器(複数の同期可能な高速撮影カメラ)を導入して試験的な実験を行った。この実験データについて研究代表者および分担者と検討を行い、次年度に向けた改善策を議論し、最終的なデータ収集の具体的な方法を決定した。 以上の3種の動物に関する実験を通じて得られた知見から、アクティブ・タッチがどのような適応的特性を示すかについて議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトデの起き上がりに関して、基質が不均質である環境での実験を行ったが解析に十分な実験を行うことができなかった。 ダンゴムシの実験に関しては、研究者が他の研究テーマについて内地研究員として外出する期間が生じたため、研究計画の一部を消化できなかった。 ヒトの触覚に関しては、本年度の研究計画では、粗さが異なる紙やすりの弁別実験を本実験に移行させる予定であったが、実験方法の見直しに想定以上の時間をかけてしまったこと、また新規に導入した複数の高速撮影カメラの同期撮影に不具合が生じたこと等が重なり、達成度に遅れが生じた。 さらに、以上の実験の遅れにより、アクティブ・タッチの普遍的様相に関する議論にも遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
ヒトデについては、不均質な基質における起き上がり実験をを継続して行う。 ダンゴムシについては、迷路内での触覚運動の解析を進める。 ヒトの触覚については、複数の高速撮影カメラの使用を確認し、同期撮影を行うための適切なセッティングについては情報の収集ができている。そのため本年度前半に同期撮影のシステムを安定化させ、早急に本実験としてのデータ収集を完了し、分析を行う。 これらの実験と並行して、アクティブ・タッチの多様な動物群にわたって普遍的に見られる特性について考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヒトデの実験に関する遅れが生じたこと、分担研究者が内地研究員として6か月間別の研究課題に従事する必要があったこと、ヒトの実験に関して研究計画の修正があったこと、などの理由により残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
各動物種に関する追加実験のための消耗品、協力者への謝金、および、成果発表旅費として使用する。
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