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2012 年度 実施状況報告書

催眠による情動賦活の脳機能画像研究

研究課題

研究課題/領域番号 24500332
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神戸学院大学

研究代表者

長谷川 千洋  神戸学院大学, 人文学部, 准教授 (80551390)

研究分担者 博野 信次  神戸学院大学, 人文学部, 教授 (30346663)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード幸福情動 / 催眠 / fMRI
研究概要

本研究では,自発的に幸福情動を賦活させる手段として実験参加者に催眠暗示を行い,幸福情動を生起させる。そしてその幸福情動の産生時に,脳のどの部位で賦活化が生じているかを,fMRI検査を用いて測定する。すなわち,本研究は,健常成人の幸福情動に関与する脳部位を解明することを目的としている。
H24年度には,催眠状態にある実験参加者を募るという研究の性質上,研究遂行上の倫理的配慮として,研究実施施設である神戸学院大学と兵庫県立西播磨総合リハビリテーションセンターの倫理委員会からの承諾を得ることを第一に予定していた。そして,倫理委員会からの承諾が得られた後に,具体的な研究手順として,1)催眠に対する高被暗示性の検討,2) 高被暗示性を示す対象者へ催眠による幸福情動誘発の導入と深化の検討,3) fMRIを用いた幸福情動賦活時の脳部位の測定の3点を計画していた。
当初の研究計画通り,H24年9月に研究協力施設である兵庫県立総合リハビリテーションセンター西播磨病院の倫理委員会より承認を得た(承認番号11分・医学研究)。その後,研究代表者と共同研究者が所属する神戸学院大学においても,ヒトを対象とする研究・教育上の調査・実験審査委員会からも承認得た(承認番号HEB130308-1)。
これらの倫理委員会への申請と並行して,暗示性の実験参加者を選別するために,本学関係者4名を対象に催眠に対する高被暗示性の検討を行った。そのうち1名の高被暗示性が確認されたため,幸福情動誘発の導入と深化の検討を複数回実施した。この実験参加者において被暗示性が安定して確認されたことより,上記の研究協力施設にてfMRIを用いた幸福情動賦活時の脳部位の測定を行った。H24年度に参加した関連学会等や研修会にて得られた脳画像解析の方法論を基に,現在この対象者の画像データ解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始にあたり,予定していた研究施設(神戸学院大学)及び研究協力施設(兵庫県立総合リハビリテーションセンター西播磨病院)における倫理委員会からの承諾を得ることができた。この結果,研究施設に所属する大学生および大学院生などから,実験参加者を一般募集することが容易になり,H25年度からの実験が効果的に遂行されると予測される。
これまでのところ,fMRIで撮像されたデータの解析・検討も順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

H25年度は,研究に関する同意が得られた実験参加者を対象に以下の検討を進めていく予定である。1)参加者全員に対して催眠に対する高被暗示性を検討し,高被暗示性を示す実験参加者を選択し,これより以降の実験の対象者とする。2)催眠による幸福情動誘発の導入と深化を調べ,より安定して幸福情動が催眠により産出可能であるかの確認をする。3)安定して催眠導入による幸福情動が確認された実験参加者のみを対象として,研究協力施設においてfMRIを用いた幸福情動賦活時の脳部位の測定を予定している。fMRI撮像においては,幸福情動及び,中立情動を保持した状態で,それぞれfMRIによる脳部位の測定を行い,得られた画像データはSPMにより解析処理を行う。 最終的にfMRIの測定を行う実験参加者は健康成人10~20数名程度の予定であるが,高被暗示性の対象者は健常成人の3割程度であるため,fMRIの撮像に至るまでには,3倍以上の人数の実験参加者の被暗示性の検討を試みる必要性がある。
H25年度末には,数名程度の画像データが集積されれば集団解析を行い,その結果としてある一定の傾向が確認されれば,関連学会に発表予定である。

次年度の研究費の使用計画

H25年度を中心に催眠実験,およびfMRI実験を行うため,H24年の計画に当初予定されていた実験参加者への謝金は次年度へ繰り越すことになった。実験に基本的に必要な機器備品は初年度に購入されているため,今年度においては一定額を超える機器備品費に対する研究費の利用は当面計画されていない。
H25年度は実験参加者への謝金,研究協力施設までの交通費,施設利用料,データ整理や解析に伴う消耗品費,国内学会発表等の旅費などを中心に研究費を使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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