• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

催眠による情動賦活の脳機能画像研究

研究課題

研究課題/領域番号 24500332
研究機関神戸学院大学

研究代表者

長谷川 千洋  神戸学院大学, 人文学部, 准教授 (80551390)

研究分担者 博野 信次  神戸学院大学, 人文学部, 教授 (30346663)
キーワード幸福情動 / fMRI / 催眠
研究概要

2013年度の主要な研究実績について,以下の5点に概略する。
1)予備的研究の検討,および学会発表の準備を行った。2012年度に引き続き,今年度研究協力施設である西播磨リハビリテーションセンターにおいてfMRIの装置を用いた予備的実験を行い,標準的な催眠誘導法であるStanford Hypnotic Susceptibility Scale(SHSS)により高被暗示性が確認された参加者の幸福情動賦活時における共通部位の脳画像データの解析をおこなった。2)fMRI(3.0Tesla)装置を有する研究協力施設の安全審査の申請を行った。本研究の実験装置として 信号雑音比(SN比)を高めるためにfMRI(3.0Tesla)装置を使用する目的で,ATR脳活動イメージングセンターの安全倫理審査委員会への申請手続きを行った。3)催眠における被暗示性の実験を継続した。研究参加に同意を示した参加者に被暗示性の検討を行い,fMRI実験が可能な被暗示性の高い参加者を選出した。催眠の関連的研究として,観念運動現象とSHSSによる催眠暗示性の関連性についての検討も行った。4)幸福情動に関連する脳部位を検討した。高被暗示性が確認された実験参加者に対し,彼らの幸福情動賦活の深化と安定性を検討した後,ATR脳活動イメージングセンターにて,幸福情動及び,中立情動を保持した状態で,それぞれfMRIによる脳部位の測定を行った。実験参加者の幸福情動時の共通脳部位を解析し,情動に関する先行研究で得られた知見との関連について検討を行っている。5)上記の研究結果の学会報告と論文執筆の準備をおこなっている。また, 2013年度に開催された日本神経心理学会,日本心理学会,及び日本基礎心理学会において,情動をテーマとした本研究の関連研究を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H24年度の研究の推進計画に沿って,H25年9月には研究協力施設である兵庫県立総合リハビリテーションセンター西播磨病院にて3名の実験参加者の脳画像データの共通脳部位が解析できたため,情動賦活における神経学的基盤を検討することが可能であった。この結果は,H26年10月に開催される第60回日本催眠医学心理学会に発表予定である。同月,ATR脳活動イメージングセンターの倫理・安全審査委員会より承認を受けた(倫安13-018)ため,同センターの3.0TeslaのfMRI装置を用いて,よりSN比の高い実験データを継続的に集積することができている。情動賦活時におけるこれらの脳画像データの解析と,参加者間での共通部位について現在検討中であり,この結果はH26年9月に開催される17th World Congress of Psychophysiologyに発表予定である。
さらに,催眠の関連的研究として,実験参加者37名全員に対して,観念運動現象とSHSSによる催眠暗示性の関連性についての行動データの検討も行った。現在,この研究結果をまとめた論文を執筆中であり,催眠医学研究への投稿を予定している。また,本研究のテーマである情動に関連する研究も,H26年度の関連学会へ発表準備ができており,前年度の研究推進の計画予定に従って,ほぼ順調に進んでいると示唆される。

今後の研究の推進方策

H25年度の本研究及び関連研究の結果については,下記の学会発表,及び研究雑誌への論文投稿を計画している。
1)H26年6月に仙台で開催される日本認知心理学会において,有名人に関するTOT現象とTOT解消方略の発表を予定している。
2)H26年9月に広島で開催されるWorld Congress of PsychophysiologyにおいてNeural substrates of positive emotion induced in hypnosisの発表を予定している。
3)H26年10月に東京で開催される日本催眠医学心理学会にて観念運動現象と催眠暗示性の検討,及び幸福情動における脳活動部位の予備的研究を発表予定している。
さらに,H26年11月の日本高次脳機能障害学会,12月の日本基礎心理学会での発表も予定しており,催眠医学研究への論文投稿の執筆準備を進めている。また,催眠の高被暗示性の参加者は,全体の参加者の3分の1程度であるため,継続的に研究参加者を募る必要性があり,H26年度も研究協力施設であるATR脳活動イメージングセンターにおける実験を予定している。

次年度の研究費の使用計画

研究代表者および研究分担者の所属する大学の授業期間外において研究協力施設を使用している状況上の理由より,現在も一部の実験が継続中である。このため,研究参加者への謝金と施設利用料の一部が次年度へ繰り越しとなっている。
H26年度は,主に国内学会発表への旅費を中心に,H25年度から継続的行っている実験参加者への謝金,研究協力視閲までの交通費,施設利用料,データ整理や解析,論文投稿準備に伴う消耗品費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Iowa Gambling Task遂行の指標としての大負け;遅延価値割引・制御幻想などとの関連から2014

    • 著者名/発表者名
      長谷川千洋・秋山学
    • 雑誌名

      基礎心理学研究

      巻: 32 ページ: 259

  • [雑誌論文] 金銭授受状況における皮膚コンダクタンス反応- IGT課題における大負けとの関連2013

    • 著者名/発表者名
      秋山学・長谷川千洋
    • 雑誌名

      第54回日本心理学会発表論文集

      巻: 1 ページ: 917

  • [学会発表] Iowa Gambling Task遂行の指標としての大負け;生理指標・制御幻想・強迫傾向などとの関連から2013

    • 著者名/発表者名
      長谷川千洋・秋山学
    • 学会等名
      第32回日本基礎心理学会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      20131207-20131208
  • [学会発表] 銭授受状況における皮膚コンダクタンス反応- IGT課題における大負けとの関連2013

    • 著者名/発表者名
      秋山学・長谷川千洋
    • 学会等名
      第54回日本心理学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20130919-20130921
  • [学会発表] 認知症を伴わず,認知機能障害の訴え及び印象がないPD患者の前頭葉機能評価2013

    • 著者名/発表者名
      山道啓子,船本峰宏,田上恵美子,井上貴美子,斎藤利雄,遠藤卓行,木村紀久,斎藤朋子,長谷川千洋,博野信次,藤村晴俊
    • 学会等名
      第37回日本神経心理学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20130912-20130913

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi