本申請では,顔認知の発達傾向をより詳細に検討するために,生後3-8ヶ月の間,毎月乳児の脳血流量の計測を近赤外分光法(NIRS)によって行い,縦断的研究を遂行した. その結果,正面顔を提示中には,生後4ヶ月頃から右側頭部での活動が増加し,その反応は発達とともに,緩やかな活動の増加が見られた.一方で,横顔に対しては,生後7-8ヶ月頃から,右側頭部での活動が急速に反応し始めた.したがたって,それぞれの顔に対する脳活動の発達曲線が異なる可能性が考えられ,Nakato et al(2009)の結果と同じく,横顔の脳内処理過程の発達は正面顔よりも遅いことが確認された.
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