研究概要 |
遺伝子多様性の研究には、多因子疾患関連遺伝子の探索を目的とした場合、 従来から用いられている連鎖解析に加え、 連鎖不平衡を利用した相関解析、 ハプロタイプ解析が有力な手法として、世界的にも注目されている。座位数が少ないデータであるが連鎖不平衡と呼ばれる現象を解析的に把握することにより、ブロック領域というものを絞り込むことができる。Haploviewというソフトウェアで描写されたLD図というものである。ここでブロックが同定されているが、これはGabriel法という広く用いられる同定方法ではあるが、かなりブロック同定の条件が厳しいことでも知られている。Zhu, et al.(2003)はハプロタイプ推定を行い、相対頻度が0.04以上の代表ハプロタイプを用いてブロック同定へと繋げる手法を提案している。これらの二手法の良い点を取り入れた、ハプロタイプの頻度推定を繰り返し行うことにより、ブロックを同定する手法(Kamatani, et al, 2004)が提唱されているが、繰り返し推定を行う計算時間が膨大にかかる上に、最初に彩小ブロックとして定義している``minimal block"の条件がやや厳しい(D'>0.9)ことが難点として挙げられる。我々は、これらの手法の問題を解決すべく、連鎖不平衡係数D'の2次元的な構造を把握することからブロック同定を行う方法を提唱するなど、新しい方法を他にも我々はいくつか提案した。いま挙げた手法の数値的な分析結果の比較なども行い、同定結果の妥当性、計算時間の大幅な短縮などを確認できた。また、ハプロタイプ・ディプロタイプ形の推定後に、ディプロタイプ形を考慮した遺伝情報データと量的表現型データとの関連解析を考えた。
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