我々はネットワーク上で定義されたデータを取り扱う統計的理論を構築する。ネットワークデータは、分岐、閉路や開路等をもち、ユークリッド空間上の統計理論を適用できない。我々は、閉路や分岐のある場合も適用できる方向統計学を応用する。パラメトリックな統計理論では取り扱える問題が極めて限定されることから、ノンパラメトリック統計理論を方向統計学に導入した。先行研究では未整備であった理論的性質に関する結果を導いた。具体的には、巻き込みコーシーカーネルの漸近的性質、カーネル方向密度関数の新しいクラスの提案とその漸近的性質を導いた。方向カーネル関数のバンド幅推定法(CV法とプラグイン法)の収束レートを導いた。
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