研究課題/領域番号 |
24500346
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 尚美学園大学 |
研究代表者 |
華山 宣胤 尚美学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20299853)
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研究分担者 |
室谷 健太 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員 (10626443)
四方 義昭 尚美学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60327145)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | コホート解析 / 極値理論 / 計量生物学 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究では,超高齢者死亡統計に“生活環境の変化⇒死因分布⇒寿命限界”の2段階モデルを当てはめて推定した“寿命限界への生活環境の効果”を環境・社会統計と比較することにより“寿命限界に影響を与える生活環境因子”を明らかにすることを目的としている.そして,平成24年度はデータの集計および第1段階モデルの検討を行った.具体的には,(1)100歳以上の死亡者統計のコンピュータへの入力,(2)取得データの年齢・時代別の表への集計,(3)第1段階モデル(生活環境⇒死因分布)の検討,の3つの作業を行ったが,詳細については下記に述べる. (1)人口動態統計中間第5表で報告されている「死亡数:性・死亡月・生年年齢別」を,世界的な死亡データベースであるHuman Mortality DatabaseからCSVファイルの形式でダウンロードした.また,ダウンロードしたデータの整理を行った. (2)上記の作業で得られた生データを加工し,年齢・時代別に与えられる表データを作成した.全員が死亡している世代の絞り込みを行い,絶滅コホート法による生存者数の割り出しを行った.また,極値理論を応用することにより,寿命限界値の推定を行い,超高齢者の死因の特徴を検討した結果,死因を「癌」,「心臓疾患」,「脳血管疾患」「糖尿病」へ絞ることとした.尚,「死亡数:性・死亡月・生年年齢別・死因別」データの整理については,「統計票の二次利用」の申請作業が滞ったため,25年度に作業を行うこととした.これに伴い,24年度中に行う計画であった国際会議での発表のうち1件を25年度に行うこととした. (3)極値理論に基づく死亡統計の分析法を検討し,年齢・時代・世代モデルの拡張および拡張したモデルの妥当性と数学的性質の議論を行った.さらに,韓国,Korean 大学のHwan教授を招き,研究代表者および分担者による研究集会を開催した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では,死因分布と寿命限界の関係を議論するために「死亡数:性・死亡月・生年年齢別・死因別」に関するデータが必要とされる.しかしながら,このデータは人口動態統計の報告書に記載されていないため,「統計票の二次利用」を申請し,統計票から必要なデータを抽出する必要がある.ところが,24年度はこの申請作業が滞ったため,申請を25年度に作業を行うこととした. また,データの取得が不十分だったため,死因分布と寿命限界の関係を統計的に明らかにすることができなかった.そこで,24年度中に行う計画であった国際会議での発表のうち1件を25年度に行うこととした. 以上に示すように本研究は当初の計画より「やや遅れている」状況にある.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進にあたっては,まず,「統計票の二次利用」を申請し,人口動態統計の報告書に記載されていない「死亡数:性・死亡月・生年年齢別・死因別」データの取得作業を行う.また,得られたデータを蓄積・整理・解析するためのコンピュータツールの開発作業を行い,その成果を国際会議にて発表する予定である. 当初より25年度に行う計画であった,「第1段階モデル解析用ツールの開発と実データの解析」⇒「第2段階モデル(死因分布⇒寿命限界)の検討」⇒「第2段階モデル解析用ツールの開発と実データの解析」については,計画どおりに進める予定である. 特に,「第1段階モデル解析用ツールの開発と実データの解析」で具体的に行う「死因分布の変化の特性を表す指標の検討」と「2段階モデル(死因分布⇒寿命限界)の考案」については,韓国,Korean大学のHwan教授を再び招聘するに加え,研究代表者および分担者以外の専門家(海外の研究者を含む)を招いた研究会を開催し,議論することを計画している.
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度の研究費については,24年度に未使用だった192千円を,25年度に開催される国際会議における成果発表に係る費用として使用する予定である.また,25年度に使用予定であった1,800千円(間接費を含まない)については,計画通りに,「第1段階モデル解析用ツールの開発と実データの解析」「第2段階モデル(死因分布⇒寿命限界)の検討」「第2段階モデル解析用ツールの開発と実データの解析」に係る費用として使用する計画である. このため,25年度については,24年度から変更して使用する192千円を合わせて,合計1,992千円を使用する予定となる.
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