喫煙開始から死亡までが非常に長く、出生コホート間の喫煙習慣の複雑な違いのため,喫煙が後年の死亡に与える影響は分かりにくい。そこで,日本と英国における喫煙開始年齢と喫煙率の長期推移を出生コホートに着目して推定し,肺癌死亡率の長期推移と対比した。また、曝露開始から死亡までが超長期の場合の医学統計の問題点と方法論を検討した。日本人男性では喫煙率が高かったが、肺癌死亡率が比較的低く、これらの出生コホートでは若年期喫煙開始割合が低かった。しかし、男女とも若年期の喫煙開始が長年増えており、遠い将来の危険を過小評価してはならない。
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