研究課題/領域番号 |
24500350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
仁木 直人 東京理科大学, 工学部, 教授 (10000209)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 計算機支援統計 / 統計量分布 / 中標本 / 対称式 / モーメントのモーメント |
研究概要 |
1.ブートストラップ型リサンプリング法に関して,漸近評価によらない正確な性質を明らかにするため,数式処理と対称式演算を駆使した方法論を確立し,実際に高性能計算機上へのインプリメントが可能なアルゴリズム設計を行った。良く知られた母集団からのモーメントのモーメントのモーメントを正確に表現することで,母集団や統計量によらない議論が可能であることを明らかにし,また,その事実に基づく基本算法設計および得られた成果の一部について,国内外での発表を行った。このことにより,従来にはない見方と応用の可能性を与えるとともに,今後の研究進展の方向性が定まったと思われる。 2.高性能計算機上での並列計算環境を構築し,複数のマルチコアCPUによる並列計算,および,GPUを用いた数百~数千のコアによる並列統計計算の実験を行い,有用性の確認を行った.統計計算のような確率的要素を含む計算にGPUを用いることは,SIMD並列処理の特性から避けられてきたが,目的によれば代表的なCPUの20倍から100倍の計算速度が得られることを実証したことにより,関係分野へのGPU計算の可能性を大きく広げた意義は大きいと思われる.具体的内容は,25年度公開を目指した論文を作成中である。 3.24年度に実施予定であったリサンプリング法の分類や文献調査は,担当を予定していた連携研究者の妊娠・出産・育児により,大きく進行が遅れている。25年度半ばでの復帰を待って,順次実施していくことになろう.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
担当を予定していた連携研究者の出産・育児により,24年度に実施予定であったリサンプリング法の分類や文献調査は,あまり進んでいない。 確率的アルゴリズムへのGPU利用に関する英語論文作成も当初予定より時間を要しているが,その他の部分については,概ね計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の25年度計画を速やかに実施することを基本とする。すなわち,リサンプリング統計量に関する解析的表現導出について研究を進め,表現・表示の工夫を行って,結果のとりまとめ段階に入ることが求められる。 また,24年度に実施予定であったリサンプリング法の分類や文献調査を並行して行い,理論的背景の整理を完結することを目標とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
主たる連携研究者の妊娠・出産・育児により,予定していた国内外の出張が減ったことが,次年度使用分を生んだ主な原因である。この分は,円安による海外出張旅費の高騰分と24年度に大きな金額となった国際会議参加費に充てることとする。
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