研究課題/領域番号 |
24500357
|
研究機関 | 独立行政法人大学入試センター |
研究代表者 |
櫻井 裕仁 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (00333625)
|
研究分担者 |
田栗 正章 中央大学, 理工学部, 客員教授 (10009607)
汪 金芳 千葉大学, 大学院理学研究科, 教授 (10270414)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ブロック・リサンプリング法 / ブートストラップ法 / moving block bootstrap / circular block bootstrap / stationary bootstrap / 平均の有意差検定 |
研究実績の概要 |
本研究では,2群のデータが縦断的データとして与えられる場合について,2群の平均(曲線)が等しいかどうかを判断するための検定法の開発と応用に関する研究を行うことを目的とする。また本研究では,より実用的な方法の開発を目指すことも目的とする。すなわち,各群の母集団分布には正規分布など特定の分布形を仮定せず,かつ,データの従属性を考慮するブロック・リサンプリング法に基づく検定法の開発と応用に関する研究を行うことも目的とする。本年度は主として,対応のある2群の縦断的データが与えられる場合について,複数のブロック・リサンプリング法に基づく検定法の比較に関する研究成果が得られた。ここで検討の対象としたブロック・リサンプリング法に基づく検定法とは,検定統計量の帰無仮説のもとでの分布(帰無分布)の近似法として,Moving Block Bootstrap (MBB)法,Circular Block Bootstrap (CBB)法,Stationary Bootstrap (SB)法の3種類を用い,各近似法で検定統計量として,各群の平均系列の差の絶対値の和(T1),各群の平均系列の差の2乗和(T2),各群の平均系列に挟まれる部分の面積の推定量(T3),Hall and Hart (1990)の統計量(Sn)の4種類を用いた方法である。数値実験を行った結果,4種類の検定統計量T1~T3,Snに対応する検出力を比較すると,3種類の検定法(帰無分布の近似法)でいずれも,T3≧T2≧T1≧Snの順となる傾向のあること,また,検定統計量を固定して3種類の検定法を比較すると,いずれの検定統計量に対してもCBB法とSB法は同程度に検出力が高く,それらはMBB法の検出力以上となる傾向のあること,などの知見が得られた。
|