研究課題/領域番号 |
24500358
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
種田 晃人 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (70332492)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | バイオインフォマティクス / ソフトコンピューティング |
研究概要 |
本研究課題では、mRNAの翻訳制御を行う機能性RNAであるシスエレメントのゲノム配列からの網羅的探索を行い、新規なシスエレメントの発見を目指す。また、網羅的探索の結果を元に、人工シスエレメントを高い信頼性を持って設計できる、機能性RNA配列設計のためのキラーアプリケーションとなりうるソフトウェアの開発を行う。本年度の成果は以下のとおりである。 1.原核生物ゲノムに対する比較ゲノムによる機能性RNA配列予測の実行 原核生物ゲノムを対象とした比較ゲノムにより、網羅的シスエレメント予測を行った。具体的には、S. oneidensisとその近縁種ゲノム配列に対して、独自開発の遺伝的アルゴリズム(Cofolga2アルゴリズム)による比較ゲノムを行い、近縁種間で保存したシスエレメント配列の予測を行った。予測結果として既知シスエレメント配列の一部、ならびに新規シスエレメント候補配列を得ることができた。 2.組成を指定したRNA配列設計アルゴリズムの開発 本研究課題では、シスエレメント予測法の開発・実行だけでなく、人工的なシスエレメントRNA配列の設計手法についても独自開発を行うことを目的としている。本年度は、多目的遺伝的アルゴリズムによるRNA配列設計のためのMODENA法を拡張し、塩基組成を指定したRNA配列設計が可能な新手法の開発に成功した。これにより、従来手法では困難であった、高精度に塩基組成を指定して機能性RNA配列を設計することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)独自開発したCofolga2法を用いて、RefSeqデータベースから取得できる原核生物ゲノムを対象とした比較ゲノムによる網羅的シスエレメント予測を行い、予測の難易度が高いと考えられる低配列類似度領域においてシスエレメント予測を行うことができたこと、さらには(2)新規なRNA配列設計手法を開発できたことから、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
独自開発の共通二次構造予測法であるCofolga2mo法のCUDAを用いた高速化、シスエレメントに特化した共通二次構造予測法の開発と、そのシスエレメント予測法への応用、シスエレメント設計に適した機能性RNA配列設計手法の開発を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果発表を延期したため、「次年度に使用する予定の研究費」が生じた。平成25年度の旅費に併せて使用することを予定している。
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