研究概要 |
本研究の目的は、RNA-seqデータ解析を感度・特異度高く行うための手法開発および手法選択に関するガイドラインの策定である。平成24年度に開発したRNA-seqデータ正規化パイプラインTbTは、正規化法の手順内部に発現変動遺伝子検出を包含した複数ステップからなる頑健な方法であったが、計算時間の高速化、およびエンドユーザが利用しやすいようプログラムのパッケージとしての配布が課題であった。平成25年度は、開発した正規化法をフリーソフトRのパッケージとして実装し、Bioconductorというリポジトリから配布(http://bioconductor.org/packages/release/bioc/html/TCC.html)するとともに論文発表を行った(Sun et al., BMC Bioinformatics, 2013)。 論文中では、バイオインフォマティクス分野で最もよく用いられる2群間比較の実験デザインで評価を行ったが、2013年10月リリースのTCCパッケージ ver. 1.2.0において、3,4群間比較用の正規化パイプライン構築を行った。また、正規化法内部のDEG検出ステップにおいてマイクロアレイデータ2群間比較解析用のWAD法(Kadota et al., AMB, 2008)や多群間比較用のROKU法(Kadota et al., BMC Bioinfomatics, 2006)もTCCパッケージに実装し、包括的なトランスクリプトーム解析パッケージとしての利便性を高めた。
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