研究課題/領域番号 |
24500365
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
田村 義保 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (60150033)
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研究分担者 |
染谷 博司 東海大学, 情報理工学部, 講師 (00333518)
越久 仁敬 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20252512)
岡田 泰昌 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター), 電気生理学研究室, 室長 (80160688)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | カルシウムイメージング / アストロサイト |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ニューロンネットワークとアストロサイトネットワークの機能的相関から脳の動作原理を解明しようとするものである。研究期間中に次の研究・実験を行った。 ・摘出脳幹標本でのカルシウムイメージング法による実験を行い、それらの実験で得られた延髄呼吸中枢のニューロンとアストロサイトの活動パターンと呼吸神経出力の相関関係を解析することを継続した。呼吸リズムは延髄preBotzinger complex領域のニューロン同士、および、アストロサイト同士、さらに、ニューロンとアストロサイトが、それぞれ興奮性に結合し、全体として呼吸(吸息)を開始させるペースメーカーとして働いているとのモデルを最終年度に構築した。 ・低酸素刺激による短期呼吸増強の機序について実験を行い、最終年度にアストロサイトの活性化を介するものであるということを明確に示しえた。 ・GFAPプロモータ制御下に、アストロサイト特異的にEGFPを発現させたトランスジェニックマウスを用い、呼吸性リズム活動を維持した脳スライス標本におけるpreBotzinger complexのカルシウムイメージングを解析した。数理モデルを用いた検討では、Hodgkin-Huxley型の周期性バースト発火する呼吸ニューロンと低周波振動するRosslerアトラクタ型のアストロサイトが相互に影響しあうモデルを用いたシミュレーションで、不規則に吸息に先行するカルシウム活動が再現できた。今後、大規模ニューロン・グリアネットワークへモデルを拡張して並列コンピュータによるシミュレーションと動物実験によって、モデルの検証を行う予定である。カルシウムイメージング動画を解析すること及びニューロンとグリア細胞の自動判別技術の構築を狙いとした時系列解析を実施した。
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