鳥類の刷込み行動は、学習可能な時期が幼若期にあるため、幼少期の学習の優れたモデルとなる。刷込み行動の成立には、脳内の主要な興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸を受け取る受容体の活性化が関与している。刷込み行動には、視覚中枢と記憶の貯蔵領域との間の神経経路が働いており、この経路の細胞はこの受容体を持っている。刷込みのトレーニングを行うと、この神経経路の細胞でこの受容体の活性化と増加が正のフィードバック機構によって進む。その結果、この経路における神経情報伝達が短時間のうちに促進・強化される。これが、幼少期における様々な学習の成立メカニズムであることが示唆された。
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