恐怖記憶及び覚せい剤依存形成に関わるＲＰＴＰの役割

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 24500390
• 研究機関: 基礎生物学研究所
• 研究代表者: 藤川 顕寛 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 研究員 (50414016)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: チロシンリン酸化 / チロシンホスファターゼ / 覚せい剤 / 記憶 / シナプス

研究実績の概要

本研究課題では，恐怖記憶並びに覚せい剤嗜好形成におけるPTPRZの制御機構の解明を目指した。Ptprzの欠損マウスの神経シナプトソーム中ではシナプス機能に関わるGIT1のリン酸化レベルが野生型マウスに比べて高く、PTPRZによる脱リン酸化は正常なGIT1の機能に必須であることを明らかにした。PTPRZはGIT1を介して恐怖記憶（心的外傷後ストレス障害のモデル）や覚せい剤依存に関わると想定されたが、生きた細胞内でPTPRZの働きをとめる阻害ペプチドが得られず、PTPRZの薬理的阻害による恐怖記憶などの抑制効果は検証するに至らなかった。

研究成果

• [雑誌論文] Specific Dephosphorylation at Tyr-554 of Git1 by Ptprz Promotes Its Association with Paxillin and Hic-5. (2015)
  • 著者名/発表者名: Fujikawa, A., Matsumoto, M., Kuboyama, K., Suzuki, R., and Noda, M.
  • 雑誌名: PLOS ONE 巻: なし ページ: 1-20
  • DOI: 0.1371/journal.pone.0119361
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [学会発表] Phosphorylation of Git1 at Tyrosine 554 negatively regulates association with Hic-5 and paxillin. (2014)
  • 著者名/発表者名: Fujikawa, A., Matsumoto, M., Kuboyama, K., Suzuki, R., and Noda, M.
  • 学会等名: 第11回プロテインホスファターゼ国際カンファレンス
  • 発表場所: 東北大学（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2014-11-12 – 2014-11-14