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2013 年度 実施状況報告書

テレンセファリン依存的な神経細胞による死細胞のクリアランス機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 24500392
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

古谷 裕  独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 研究員 (80392108)

キーワードテレンセファリン / ファゴサイトーシス / アポトーシス / ビトロネクチン
研究概要

これまで神経細胞による死細胞のクリアランス機構はほとんど報告されておらず、主にグリア細胞により死細胞の除去が行われていると考えられていた。死細胞を模倣したビトロネクチンコートビーズがテレンセファリン依存的に樹状突起に結合し、このビーズをテレンセファリンの集積と共にカップ様の膜構造が取り囲み、ファゴサイトーシスしているかのように見える。
この神経細胞によるファゴサイトーシスの分子メカニズムを明らかにするために、ビトロネクチンコートした磁性ビーズを培養海馬神経細胞に撒き、ファゴサイトーシス様の膜構造を形成させた後に回収し、ビーズに結合しているタンパク質を質量分析により網羅的に解析した。その結果、ファゴサイトーシスに関連する分子としてGタンパク質、ホスファチジルイノシトールのリン酸化制御分子、アクチン骨格形成制御分子が多く含まれていた。これらのことから、ビトロネクチンが結合したビーズはテレンセファリンや7回膜貫通型受容体により認識され、ホスファチジルイノシトールのリン酸化を調節することにより、アクチン骨格の形成を促進しファゴサイトーシス様の構造を形成していることが示唆された。
どのように神経細胞が死細胞を捕まえ取り込むのか明らかにするために、死細胞断片を蛍光標識し、GFP融合テレンセファリンを発現する培養海馬神経細胞に加え、タイムラプス解析を行った。その結果、死細胞断片と神経細胞の樹状突起との接着面にテレンセファリンは集積してきたが、死細胞断片全体を取り囲むファゴサイトーシス様の膜構造の形成は観察できなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

培養神経細胞を用いた死細胞のクリアランス機構については、分子メカニズムやタイムラプスイメージングなどにより解析を行ったが、マウスを用いたin vivoでのクリアランス機構の解析が遅れているため。

今後の研究の推進方策

Thy1-GFPマウスをテレンセファリン欠損マウスと掛け合わせ、in vivoでの死細胞のクリアランス機構を解析できるようにする。

次年度の研究費の使用計画

海外での成果発表を予定していたが行わなかったため、また、論文発表用に計上していた予算を使っていないため。
実験を進め物品費を使用すると共に、海外での成果発表を行い、論文を投稿し旅費とその他の経費を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] シナプス可塑性2014

    • 著者名/発表者名
      古谷 裕
    • 雑誌名

      分子精神医学

      巻: 14 ページ: 41-43

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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