研究課題/領域番号 |
24500392
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
古谷 裕 独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 研究員 (80392108)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | テレンセファリン / ビトロネクチン / ファゴサイトーシス / アポトーシス |
研究実績の概要 |
脳疾患により細胞死を起こした際に、このクリアランスに関与するのはミクログリアやアストロサイトなどのグリア細胞が主に行っていると考えられてきた。細胞接着分子テレンセファリンはマクロファージやミクログリアに発現するインテグリンαLβ1に結合することから、神経細胞がダメージを受けた際にテレンセファリン細胞外ドメインがシグナルとなり、マクロファージやミクログリアを誘引し損傷治癒に大きな役割を果たしていると考えられた。しかし、脳梗塞モデルマウスにおいてテレンセファリン欠損マウスと野生型マウスの間で有意な差はなかった。一方で、神経細胞も死細胞をファゴサイトーシスするとの報告がなされるようになり、死細胞を模倣したビトロネクチンコートビーズを加えることにより細胞接着分子テレンセファリン依存的にファゴサイトーシス様のカップ構造がビーズの周囲に形成されることを見出した。これらのことからテレンセファリン依存的な死細胞クリアランス機構が存在すると考え、生体内でのクリアランス機構を解析することを目的とした。 テレンセファリン依存的な神経細胞による死細胞のファゴサイトーシスが起こるか調べるために、テレンセファリン欠損マウスとThy1-GFPトランスジェニックマウスとを掛け合わせ、神経細胞を疎らに可視化できるテレンセファリン欠損/Thy1-GFPマウスを作製した。脳切片を抗GFP抗体で染色した結果、海馬CA1領域や大脳新皮質の神経細胞で疎らにGFPが発現しており、細胞体や樹状突起などが可視化できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
テレンセファリン欠損/Thy1-GFPマウスを作製し、in vivoでの神経細胞によるファゴサイトーシスの解析に向け準備をした。また、これまでの結果をまとめ論文として投稿しているので、当初の研究計画からやや遅れているが研究は順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
結果を論文にまとめ投稿を開始したので、出版を目指し必要な実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
結果を論文にまとめ投稿を開始したが出版に至らなかったので、論文投稿、出版、別刷り、再実験費用として残しておいた経費が未使用となった。
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次年度使用額の使用計画 |
論文の出版を目指し必要に応じて実験を行うとともに、出版を確定させ論文出版用の経費を使用する。
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