本研究課題では、パルブアルブミン(PV)、ソマトスタチン(SOM)、血管作動性腸管ペプチド(VIP)を発現する抑制性神経細胞に焦点を当て、神経回路構造の解析を行った。成体マウス第一次体性感覚野において、PV発現細胞への各種抑制性シナプス入力を解析したところ、PVもしくはSOM発現細胞からの入力は樹状突起を好み、VIP発現細胞からの入力は細胞体を好むことが分かった。すなわち、PV発現細胞は樹状突起・細胞体という2つのコンパートメントにおいて、抑制性入力様式が大きく異なる。『抑制性神経細胞はランダムなネットワークを形成するのでなく、何らかの結合ルールを備えているのではないか』と想定される。
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