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2013 年度 実施状況報告書

プルキンエ細胞樹状突起シナプス構築形成過程における入力線維交替現象

研究課題

研究課題/領域番号 24500413
研究機関札幌医科大学

研究代表者

市川 量一  札幌医科大学, 医学部, 講師 (10223091)

キーワードシナプス / 樹状突起 / プルキンエ細胞 / 平行線維 / 登上線維
研究概要

今年度は、作成した、生後7日(P7), P9, P12, P15, P20, P30についての、小脳登上線維をBDAで、平行線維をVGLuT1で標識し、プルキンエ細胞を水平断した連続超薄切片を観察した。昨年度の結果を踏まえ、プルキンエ細胞樹状突起上のシナプス形成については、P9-P15がoverlapping phase P20-をsegregate phaseとした。前者では登上線維と平行線維が高密度で、しかも、同一レベルにてシナプスを形成する時期、後者が登上線維シナプスと平行線維シナプスが分節化して分布する時期である、と結論づけた。また、グルタミン酸受容体δ2型の分布を調べたところ、生後15日では将来的に平行線維シナプスが消失する近位部では持続する遠位部に比べグルタミン酸受容体δ2型の発現量が少なかった。
分節化に関与する分子機構として、登上線維の多重支配から一重支配に移行する際に関与するシグナル伝達系との関連性を考え、代謝性1型グルタミン酸受容体(mGluR1)、Protein kinase C γ型(PKCγ)からなるシグナル伝達系、とグルタミン酸受容体δ2型とCbl1, neurexin-βの系のそれぞれが候補として考えられた。前者の系の遺伝子欠失マウスについて解析をおこなったところ、分節化が起こっていなかった。また、後者の遺伝子欠失マウスでも、シナプスの分節化がおこっていた。以上より、シナプスの分節化にはmGluR1-PKCγのシグナル伝達系が必要であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度の結果を踏まえ、ポストエンベッデイング法などにより受容体の、経時的空間的発現の差をグルタミン酸受容体2型などで明らかにした、ことなど、おおむね計画どうりに進行している。

今後の研究の推進方策

昨年度、今年度の結果を踏まえ、研究課題について、得られたデータをもとにして、プルキンエ細胞樹状突起上のシナプス構築の形成機構について考察を加える。補強すべきデータなどを選び、それについて再度実験、観察を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 登上線維入力を欠落させた小脳プルキンエ細胞のシナプス構築の変化2014

    • 著者名/発表者名
      市川量一
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会全国学術集会
    • 発表場所
      下野市
    • 年月日
      20140330-20140330
  • [学会発表] The process in the regeneration of parallel fiber synapses after transection2013

    • 著者名/発表者名
      市川量一
    • 学会等名
      第36回神経科学学会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      20130620-20130620

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公開日: 2015-05-28  

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