研究課題
頭窓を施したC57BL/6Jマウスに脳虚血モデルを作成し、イソフルラン麻酔下でアストログリア細胞の生体蛍光マーカであるSulforhodamine 101(5-10 mM)を腹腔投与(8 μl/g)した。頭窓を通して一次体性感覚野の微小血管内及びアストログリアにおける蛍光強度を放射線医学総合研究所の二光子顕微鏡法によって5分から30分毎に測定した。血管の構造画像を解像度0.4μm/pixelの条件で深さ方向に800 μmまで、またアストログリアを0.2 μm/pixelの解像度で400μmまで、それぞれ5 μmのステップ間隔で取得した。同様の実験プロトコルで繰り返し継続観察を行った。この方法で脳神経細胞、血管、グリア細胞を同時にin vivoで描出し、その細胞間の関連、経時的な形態変化などを多角的に検討した。このように二光子顕微鏡を用いて、laser scanning confocal 蛍光顕微鏡を用いた観察時よりも、さらに脳深部における脳虚血時のin vivo反復した経時的なデータから、Neurovascular couplingの病態生理を詳細に比較、検討している。また、脳虚血後の血管新生の過程も捉えることができ、詳細に検討中である。
1: 当初の計画以上に進展している
頭窓を施したC57BL/6Jマウス脳虚血モデルを作成し、二光子顕微鏡法による脳神経細胞、血管、グリア細胞を同時にin vivoで描出し、その細胞間の関連、経時的な形態変化などを多角的に検討する方法を計画通りに確立することに成功した。この方法で、計画通り二光子顕微鏡を用いて、laser scanning confocal 蛍光顕微鏡を用いた観察時よりも、さらに脳深部における脳虚血時のin vivo反復した経時的なデータから、Neurovascular couplingの病態生理を詳細に比較、検討している。また、脳虚血後の血管新生の過程もプレリミナリースタディー通り捉えることができ、詳細に検討中である。既に国内外の学会で発表し、また国内外の雑誌に投稿し、採択された。
これまで得られたデータをさらに詳細に解析しつつ、確立した方法をさらに進展・発展させ、脳梗塞の病態に関与していると考えられているCortical spreading depression現象など基礎的な脳梗塞時の病態生理学的検討もさらに加えつつ、脳虚血時のNeurovascular couplingをターゲットとした例えば神経堤細胞、iPS細胞由来細胞の移植など再生医療、あるいは各種薬物投与の効果など、脳梗塞治療へのさらなる応用を視野にさまざまな角度から検討していく。
取り組んでいる課題の一つの英語論文校正・出版用の予算を確保していたが、今年度中の投稿には至らなかった。現在推敲中の論文が完成次第、国際誌に投稿し、校正・出版費として使用する予定である。
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