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2013 年度 実施状況報告書

多系統萎縮症のシヌクレイン病理ーパーキンソン病との比較検討

研究課題

研究課題/領域番号 24500425
研究機関愛知医科大学

研究代表者

三室 マヤ  愛知医科大学, 付置研究所, 助教 (20387814)

キーワード多系統萎縮症 / パーキンソン病 / αシヌクレイン / レービー小体
研究概要

①Lewy小体を有するMSAとPDとの病理学的比較
目的:末梢組織におけるMSAとPDのsynuclein病理の相違を明らかにするため,多数のMSAの交感神経節及び全身臓器(消化管・心臓・副腎)を臨床神経病理学的に詳細に検討した.
対象と方法:当施設で病理診断されたMSA161例中,交感神経節が採取されている65例(MSA-C 34例,MSA-P 27例).平均死亡時年齢67.6歳(MSA-C 68.7歳,MSA-P 66.6歳),男:女は34:30(MSA-C 17:17,MSA-P 17:13),平均罹病期間8.8年(MSA-C 9.8年,MSA-P 7.8年).ホルマリン固定パラフィン包埋した検体を厚さ4umに薄切した. HE,Gallyas-Braak(GB)染色及び抗リン酸化a-synuclein抗体(monoclonal,1:3000,WAKO)による免疫染色を施行した後,synuclein陽性構造物を評価した.
結果:HEでは,MSA65例中9例(13.8%)の交感神経節細胞や神経突起の中にLewy小体様構造物を認めた.リン酸化synucleinによる免疫染色では,65例中40例(61.5%)にsynuclein陽性構造物を確認できた.交感神経節陽性40例中,31例77.5%は一つの神経節に1-数個ていど,点状あるいはneurite様の構造物を認める程度であった.しかし,9例22.5%はPDと区別出来ないほど沈着量が多く,HEでもLewy小体やneurite様構造物を確認出来る傾向にあった.沈着量が高度な6例において消化管・副腎・心臓のsynuclein陽性構造物を検討したところ,5例83.3%にsynuclein陽性構造物を認めた.
結論:MSAの末梢組織におけるsynuclein病理は,PDのsynuclein病理と一部共通する機序の存在が示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Lewy小体を有するMSAとPDとの病理学的比較について,多数例で検討し,MSAの末梢組織におけるsynuclein病理は,PDのsynuclein病理と一部共通する機序の存在を示すことが出来,ヨーロッパ神経学会で発表することが出来た.

今後の研究の推進方策

Lewy小体を有するMSAとPDとの病理学的比較に関しては,今までの結果を論文にまとめたいと思う.
また,今後の研究として,MSAの初期病理像の検討と,MSAの神経突起の病変について,多数例を用いて,病理学的に研究していきたいと思う.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] MSAの概念と歴史―Shy-Drager症候群2013

    • 著者名/発表者名
      三室マヤ,吉田眞理
    • 雑誌名

      clinical neuroscience

      巻: 31(3) ページ: 275-277

  • [学会発表] Lewy neurite-like structures are rarely associated with Lewy body pathology at the brainstem of multiple system atrophy (MSA)2013

    • 著者名/発表者名
      Maya Mimuro
    • 学会等名
      XXI World Congress of Neurology
    • 発表場所
      Vienna
    • 年月日
      20130921-20130926
  • [学会発表] 多系統萎縮症の橋底部萎縮と橋核神経細胞脱落2013

    • 著者名/発表者名
      三室マヤ
    • 学会等名
      第54回日本神経学会総会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20130529-20130601
  • [学会発表] 多系統萎縮症(MSA)の脳幹におけるLewy neurite様構造物(MSA neurite)とLewy小体病理の関連性2013

    • 著者名/発表者名
      三室マヤ
    • 学会等名
      第54回日本神経病理学会総会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      20130424-20130426
  • [学会発表] 多系統萎縮症(MSA)の病理学的staging作成の予備的研究―MSAの橋底部萎縮と橋核神経細胞について2013

    • 著者名/発表者名
      三室マヤ
    • 学会等名
      第54回日本神経病理学会総会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      20130424-20130426

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公開日: 2015-05-28  

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