Synucleinopathyの二大疾患である多系統萎縮症(MSA)とレビー小体病(LBD)の相互関係を明らかにするため, MSA剖検例160例を用いて神経病理学的に検討した.中枢組織にLewy小体病理を認めたのは11例/160例(6.9%),末梢組織では10例/35例(28.6%),神経細胞の突起にLewy小体様類似構造物を認めたのは23例/160例(14.4%),交感神経節にsynuclein陽性構造物を認めたのは40例/65例(62.1%)であった.MSAでは,LBDの合併に寄らず,神経突起や末梢組織にsynucleinが蓄積する可能性が示唆された.
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