研究課題/領域番号 |
24500442
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
柳田 俊彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (60295227)
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研究分担者 |
村上 学 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80302090)
根本 隆行 宮崎大学, 医学部, 助教 (90506833)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | インスリン抵抗性 / インスリンシグナル / 発現調節 / 神経変性疾患 / 海馬神経細胞 / βアミロイド / ネガティブフィードバック / 神経保護作用 |
研究実績の概要 |
神経のインスリン受容体シグナルが、神経新生や神経機能の維持・修復、学習・記憶に重要な役割を果たすこと、アルツハイマー病な どの神経変性疾患において脳におけるインスリン抵抗性が起こっていることが明らかになってきた。本研究では、臨床で用いられてい る様々な薬物や生理活性物質、食事中に含まれている成分などが、神経系のインスリン受容体シグナルに及ぼす影響について解析を行 い、1-2の研究成果を得た。 1. 神経保護作用が報告されている薬物や生理活性物質(ニコチン、エストラジオール、クルクミン、ドコサヘキサエン酸、レスヴェ ラトロール など)は、インスリン受容体の下流のシグナル分子である IRS-1/IRS-2の発現増加を介してインスリン受容体シグナルを 増強させた。 2. アルコールは、インスリンのインスリン受容体への結合を阻害することにより、インスリンシグナルを減弱させた。 3.培養海馬ニューロンにおけるインスリンの生合成と分泌機構、ならびにそれraに対するAβ1-42の及ぼす影響についてpHluorin(pH7.4:細胞外でGFP発光、pH5.0:分泌小胞内で消光)付加インスリンの発現系を用いて可視化検討した結果、(1)海馬ニューロンで合成されるインスリンは、分泌小胞に取り込まれ、脱分極後の細胞内カルシウム濃度上昇に伴って細胞外に分泌されること、(2)インスリンの前駆体タンパク質であるプロインスリンの発現が、Aβ1-42によるGlycogen synthase kinase-3βの活性変動を介して変動することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
神経系におけるインスリン受容体シグナルの変動解析については、十分なスクリーニングと解析を行えた。 さらに、海馬神経細胞におけるインスリンの生合成/分泌のメカニズムを明らかにし、アルツハイマー病における誘発因子と考えられているβアミロイドの影響についても明らかにした。これらの成果は、今後、脳内のインスリン抵抗性の解明に大きく寄与しうる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは神経系のインスリン受容体シグナルに焦点をあてて解析を行ってきたが、今回の研究の流れの中で、脳内におけるインスリンの生合成/分泌のメカニズムが明らかになってきた。 今後は、インスリンの生合成/分泌のメカニズムに影響を与える細胞内外の因子について、解析を行い、脳内インスリン抵抗性の病態生理の解明につなげたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に脳内インスリンの発現変動機序の分析を行ったところ、抹消血由来のインスリンが脳内に移行しているだけでなく、脳においてもインスリンが生理的・病態生理学的な状態に応じて、発現調節を受けていることが示唆された。そのため、当初の計画を変更し、脳内インスリンのコンディショナルノックアウトマウスを作成することとしたため、補助事業期間を延長した。
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次年度使用額の使用計画 |
脳内インスリンのコンディショナルノックアウトマウスの作成の費用と学会発表の経費にあてる。
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