ニューロメラニン(NM)は中脳黒質および青斑核に存在する黒褐色のメラニンである。このメラニン構造はまだ不明な点が多いが、天然のNMの化学反応から、黒質NMはDA、DOPAC、DOPE 由来、一方、青斑核NM は、NE、DOMAおよびDOPEGに加えて、DA、DOPAC、DOPEにも由来していることがわかった。一方、チオグリコール酸とフェノールの共存下、青斑核NMの塩酸水解を行うと、NEまたはCys-NEのベンジル位のヒドロキシ基がチオグリコール酸と置換反応して生成した化合物が得られた。この実験結果は、NEおよびCys-NEが青斑核NMに取り込まれていることを証明する初めての化学的証拠である。
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