研究課題
基盤研究(C)
今年度は、コンデイショナル Endoplasmic reticulum protein 44ノックアウトマウスの作成をすすめた。エキソン4をloxP配列で挟んだtargeting vectorをES細胞にインジェクション後、選択マーカーのネオマイシンを用いて薬剤耐性株を取得した。得られた株よりDNAを抽出後、PCR法およびサザンブロッテイング法にて相同組み換え株を選択した。取得した相同組み換え体ESをマウスにインジェクションしキメラマウスを作成した。そのキメラマウスをB6マウスと交配し2つの独立したラインを取得した後、Flpトランスジェニックマウスと交配し、frp配列で挟まれた選択マーカーを欠失させたマウスの作成に成功した。作成したマウスはEndoplasmic reticulum protein 44遺伝子の発現が正常であり、loxP配列挿入自体による発現への影響がないことを明らかにした。現在、脳特異的Endoplasmic reticulum protein 44欠損マウス(学習などの影響を見る為にバックグランドはC56BL/Jにしている)を作成する為に、CaMKII-Cre Tgマウスとの交配を進めている。また、細胞外刺激に応じたEndoplasmic reticulum protein 44とLeucineアミノペプチダーゼの相互作用の動態をFRET法を用いてリアルタイムで明らかにする為、各タンパク質のC末端にYFPとCFPを結合させた融合タンパク質を作成した。その両者をHeLa細胞に一過性に発現させ、FRETが生じているかどうかYFPのブリーチングにて検討した。その結果、明らかなFRETの変化はみられなかった。
3: やや遅れている
細胞外刺激に応じたEndoplasmic reticulum protein 44とLeucineアミノペプチダーゼの相互作用の動態をFRET法を用いてリアルタイムで明らかにする為、各タンパク質のC末端にYFPとCFPを結合させた融合タンパク質を作成し細胞に発現させたが明らかなFRETの変化が現在までにみられていない。この原因の一つとして両者の発現量の極端な違いが考えられ、その改善を目指しているため当初の予定より研究目的の達成度が遅れていると評価した。
早急に脳特異的Endoplasmic reticulum protein 44欠損マウスを作成し、その神経細胞を用いてEndoplasmic reticulum protein 44欠損がおこす小胞体内腔からのCargoタンパク質輸送の異常を明らかにしていく。また、同時に脳特異的Endoplasmic reticulum protein 44欠損マウスを用いた行動バッテリーを進めていく。また、FRETに関しては、アクセプターとドナータンパク質をIRES介在配列を用いて同一のmRNAから発現させることで、極端な発現量の違いを改善していく。
該当なし
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