ERp44欠損マウスは、血圧を上げる作用をもつアンジオテンシンIIの濃度が低下して低血圧を示した。また、アンジオテンシンIIを分解するアミノペプチダーゼの1つERAP1が、小胞体内腔でERp44とジスルフィド結合し、ERp44欠損でERAP1が細胞外に多量に分泌され、その結果、アンジオテンシンIIを分解して低血圧を起こすことを明らかにした。また、敗血症のモデル実験では、ERp44とERAP1との相互結合が増加し、血圧低下を抑制した。以上の結果から、小胞体内腔に存在するERp44がERAP1の細胞の内外における局在を調節することでアンジオテンシン濃度を制御し、血圧を調節すると結論した。
|