自閉症発症とTAO2キナーゼをコードする染色体領域(16p11.2領域)の微小欠失との関連が報告されている。そこで、自閉症および正常対照より採取した遺伝子サンプルのTAO2キナーゼに特異的な領域のリシークエンスを行い、複数のrare variantを見出した。これらのTAO2変異体をニューロンに発現するとスパイン形成が抑制された。TAO2bノックアウトマウスを作成し、海馬ニューロンの樹状突起スパインの観察を行ったところ、樹状突起スパインの形態異常がみられた。また、正常ニューロンに比べて抑制性シナプスが増加していた。更に、ノックアウトマウス文脈的恐怖記憶にも異常がみられた。
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