成熟ラットから脊髄薄切片を作製し、痛みの制御に重要な役割を果たす膠様質ニューロンにパッチクランプ法を適用してオキシトシン(OXY)作用を調べた。OXYは脱分極を生じる一方、興奮性シナプス伝達に影響しなかった。OXY応答はホスホリパーゼCとIP3誘起Ca2+放出を介したK+やNa+の膜透過性変化により生じることが示された。一方、OXYはNa+チャネル阻害薬依存性に自発性抑制性シナプス伝達を促進した。以上のOXY応答は、OXY受容体作動薬によりみられる一方、その受容体阻害薬存在下で消失した。以上より、OXY受容体の活性化による脱分極を介した抑制性シナプス伝達の促進が鎮痛に寄与すると示唆された。
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