研究課題
基盤研究(C)
本研究は神経筋接合部特異的なRNA代謝機構の同定およびその機能解析を目的とする。1: Laser microdissection法による、マウス切片より骨格筋-神経筋接合部および通常骨格筋部位-total RNA回収。2: Gene Chip(exon array)による、スプライシングパターンの網羅的解析3: 神経筋接合部特異的RNA代謝機構の詳細の解析、その生体における意義の解明の3段階で研究を施行予定である。当該年度は、1について検討した。まず、マウス切片の染色条件について検討を行った。バンガロトキシン染色、アセチルコリンエステレース染色について染色能、染色後のRNA分解状況について検討した。後者の染色を4℃10分の条件で行うことにより、微量RNAの分解を防ぎつつ、神経筋接合部特異的な染色を得られることが判明した。次に、この染色下にLaser microdissection法を行い、RNAの回収法について検討したところ、約5000箇所の神経筋接合部に対しRNeasy micro columnを用いると、2-3 ng程度のtotal RNAが回収できることが判明した。GeneChip解析には、50ngのRNAが必要であるため、ovation kitを用いたRNA増幅を行うこととした。実際に増幅を行ったところ、GeneChip解析に十分な量のcDNAが合成された。rt-PCRにより、Ache、Muskなど神経筋接合部特異的な発現を示すmRNAの発現を確認したところ、control領域から得られたcDNAに比べ、神経筋接合部から増幅されたcDNAには、著しい発現が見られ、神経筋接合部RNAの回収成功を確認した。今後、GeneChip解析を行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
1: Laser microdissection法による、マウス切片より骨格筋-神経筋接合部および通常骨格筋部位-total RNA回収。2: Gene Chip(exon array)による、スプライシングパターンを網羅的解析3: 神経筋接合部特異的RNA代謝機構の詳細の解析、その生体における意義の解明の3段階で研究を施行予定である。当該年度は、1について検討し、目的を達成した。
1: Laser microdissection法による、マウス切片より骨格筋-神経筋接合部および通常骨格筋部位-total RNAを回収。 2: Gene Chip(exon array)により、スプライシングパターンを網羅的に解析 3: 神経筋接合部特異的RNA代謝機構の詳細の解析、その生体における意義の解明の3段階で研究を施行予定である。当該年度は、1について検討し、目的を達成した。今後は、2および3について推進していく。2のスプライシングパターン解析については、GeneChip施行予定であり、すでに準備が終了している。これに加え、近年、進展が著しい次世代シークエンサーによるRNA-seq解析も行っていきたい。RNA-seq解析では、annotationされていない未知のスプライシングパターンの検出が可能であり、GeneChip解析との組み合わせにより、さらにRNA代謝の詳細の解明につながるものと、期待される。得られた網羅的dataを用いて、スプライシングのみならず、5'UTR領域、3'UTR領域、さらにはnoncodingRNAなどの変化についても、検討を行っていきたい。
GeneChip(Exon Array)解析を行うため、試薬類やプラスティック器具類の購入が必要である。RNA-seq解析を行うため、試薬類やプラスティック器具類の購入が必要である。
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