研究概要 |
(1)昨年度より進めていた実験により、弘前へアレスラット (HHR) 胸腺内での制御性T細胞 (nTreg) の分化抑制は予想通り胸腺樹状細胞からの Ly49s3 遺伝子の発現消失が原因のひとつであるという結論に達した。この結果は英文論文として発表した (Yamada T, et al., J Immunol, 191:3799-3809, 2013)。 この論文を発表後、Receptor & Clinical Investigation 誌より我々の研究について紹介する機会を提供され、同誌に Research highlight として寄稿した (Yamada T, et al., Receptor Clin Invest, 1:101-111, 2014)。 (2)HHR 胸腺内に存在する成熟 B細胞が B1-B細胞であることの証明については、FACS を用いた解析により HHR 胸腺内には正常動物 (SDラット) に比べて B1-B細胞の特徴である細胞表面に CD5 と IgM を共に発現する細胞が多く含まれることが示された。また HHR 胸腺では B細胞の誘引と定着に関わるケモカインである Cxcl13 や Ccl19 の遺伝子発現が亢進していることも示された。これらのことから、HHR 胸腺には B1-B細胞が定着し成熟しているものと推察された。
|