腸粘膜での異物排出ポンプであるABCB1Aの機能喪失を共通して有するSAMP1とFVB/N系マウスを用いることにより、ABCB1Aの機能喪失を基盤とした潰瘍性大腸炎の発症が、第16染色体、および第13染色体上の修飾遺伝子により規定されることを明らかとした。さらに、第16染色体上の修飾遺伝子の存在領域を約7 Mbにまで限局することができた。この領域に存在する遺伝子の系統間多型検索の結果、修飾遺伝子の候補としてIfnar1遺伝子内のミスセンス塩基置換多型を同定した。しかしながら、この多型がABCB1A欠損条件下で潰瘍性大腸炎発症への感受性を規定するものであるか否かは完全には証明されなかった。
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