研究課題/領域番号 |
24500488
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
角田 茂 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (80345032)
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研究分担者 |
松本 清司 信州大学, ヒト環境科学研究支援センター, 准教授 (40173893)
森 政之 信州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60273190)
長瀬 尚志 信州大学, 医学部, 助教 (70303451)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 炎症 / 疾患モデル動物 / インターロイキン |
研究概要 |
「炎症」は多様な生命現象に関与しており、その中でIL-1は炎症制御に重要な役割を担っている。IL-1の内在性抑制性分子であるIL-1レセプターアンタゴニスト(Ra)を欠損させたマウスは多彩な表現型を示し、自己免疫性リウマチ様関節炎や「自己炎症」性乾癬様皮膚炎などを自然発症する。一方、IL-1Raには通常の分泌型に加えて細胞質内型アイソフォームが存在すること、細胞質内に存在するIL-1α前駆体は特定の条件下において核移行し転写因子として機能するなど、未だ不明な点が多く残されている。 そこで本研究では、アイソフォーム特異的遺伝子欠損マウスを作製、解析することにより、IL-1Ra欠損マウスで見られる多彩な表現型の分子機構を明らかにし、また、新たな疾患モデル動物の確立を目指す。 平成24年度は、C57BL/6背景のIL-1Ra完全欠損、分泌型(s)IL-1Ra欠損、細胞質内型(ic)IL-1Ra欠損マウスの表現型の比較解析を中心に行い、s/icIL-1Raアイソフォームによる炎症抑制における役割分担について検討した。C57BL/6背景のIL-1Ra完全欠損マウスは、脂肪代謝の異常により体重増加が抑制されており削痩が認められる他、加齢に伴い鼠蹊ヘルニア、脱肛を高頻度に発症する。しかし、s/icIL-1Raアイソフォームのみをそれぞれ特異的に欠損したマウスではこれらの表現型は認められず、相互補完していることが明らかになった。現在、BALB/c背景への戻し交配を進めており、間もなく完了する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度の途中で、信州大学ヒト環境科学研究支援センターから東京大学への異動があった。そのため、遺伝子改変マウスの施設間の移動があり、当初予定した実験を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度は所属の異動および動物の移動があり、予定していた研究が完全に遂行できなかった。 そのため、今年度は昨年度に実施できなかった実験を行い遅れを取り戻すとともに、BALB/c背景に戻し交配を行ったマウスを兄妹交配することによりホモ欠損マウスの作出を進め、表現型の解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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