研究課題/領域番号 |
24500490
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
磯谷 綾子 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (20444523)
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キーワード | 遺伝子組み換え / モデル動物 / 異種キメラ |
研究概要 |
“ラット”は、マウスに比べ体が大きいため生体試料(尿や血液など)を経時的に採取できるので、外科手術モデルや薬物・栄養代謝の研究に利用しやすい。さらに人を識別して慣れる性質をもつことから、学習・記憶の研究に汎用されている。“ラット”にはこのような利点があるため、ノックアウトラットの作出は、実験動物学において重要な位置を担っている。 しかし、ノックアウトラットの作出には、広い飼育スペースが必要でかつ、受精胚の安定的な供給が難しいといった問題点を抱えている。この問題を解決する方法として、申請者はマウス胚にラットES細胞を打込んで誕生する異種キメラに着目し、ノックアウトラット新規作製法の開発を目指した。 H25年度は、H24年度に樹立した全身だけでなく精子頭部にもGFPシグナルをもつGBGSラットES細胞を用いてターゲティングしたES細胞をマウス胚にインジェクションし、マウス←ラットESキメラを誕生させた。このマウス←ラットESキメラの精巣内においても、GFPで標識されたES細胞由来の精子が観察できた。この精子を用いて顕微授精を試みたところ、ターゲッティングしたES細胞由来の産仔が誕生し、germline transmissionすることが確かめられた。さらに、マウス←ラットESキメラを介して誕生したF1ターゲティングラットには、妊孕性が確かめられ、ノックアウトラットを作出することに成功した。以上の結果より、ノックアウトラットの新規作製法を確立することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H25年度には、ターゲティングしたES細胞を用いて、マウス←ラットESキメラを作製し、生殖系列への寄与を確かめることができた。また、顕微授精を行うことによって、ターゲティングしたES細胞のgermline transmissionに成功し、その産仔に妊孕性を確認した。このように、マウス←ラットESキメラを介したノックアウトラットの作出に成功しており、当初の計画通り順調に研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、マウス胚にラットES細胞を打込んで誕生するマウス←ラットESキメラを用いて、ノックアウトラット新規作製法の開発を目指し、H25年度にマウス←ラットESキメラを介したノックアウトラットの作出に成功した。今後は、作出したノックアウトラットの解析を行っていく。 また、マウス←ラットESキメラでラットES細胞由来の精子は確認されているが、その量は非常に少ない。そこで、レシピエントのマウス胚に精子形成不全の系統(W/Wv胚)などを用いることによって、効率化を検討する。
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