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2014 年度 実績報告書

ヒト化肝臓マウスを用いた糖尿病の新規遺伝子治療法技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24500500
研究機関公益財団法人実験動物中央研究所

研究代表者

橋本 晴夫  公益財団法人実験動物中央研究所, その他部局等, 研究員 (30353478)

研究分担者 樋口 裕一郎  公益財団法人実験動物中央研究所, その他部局等, 研究員 (00596281)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードアデノ随伴ウィルス / ヒト化肝臓マウス / 糖尿病 / Pdx1
研究実績の概要

本研究目的は、生体内で"ヒト肝臓細胞からヒト膵ランゲルハンス島(ラ氏島)細胞"を効率よく分化転換誘導する方法を確立することである。インシュリン産生機能を失ったラ氏島細胞は、肝細胞のような強い自己再生力を持たないため、自然回復することなく糖尿病へと進展する。最近、膵臓と共通の起源より発生する肝臓にラ氏島形成に重要な役割を果たす遺伝子を発現させ、"ラ氏島細胞"に分化転換誘導する報告が齧歯類を使った実験で示され、糖尿病治療の新たな可能性が示された。応募者らは苦痛を伴う現在の治療法(インシュリンの反復投与)に代わる遺伝子治療法が、「ヒト」でも実現可能か"ヒト肝臓"を保有する"ヒト化肝臓マウス"を用いて実証研究を試みる。先ず、AAV2- Pdx1-Ngn3-GFP、AAV2- Pdx1-GFPおよびAAV2-GFPの投与ルート、高血糖抑制効果の限界時期などの基礎的検討を、STZによる糖尿病モデルマウスを用いて検証した。その結果、AAV2の血糖抑制高は、7×10^7GCの力価を持つAAV2の尾静脈投与では全く効果が得られず、同力価の経脾臓投与で血糖抑制効果を投与後6週間示した。これらの結果を基に、ヒト化肝臓マウスを用いたSTZによる糖尿病の抑制効果を検討した。その結果、7×10^7GCの力価を持つAAV2 AAV2- Pdx1-GFPはヒト化肝臓マウスでの500mg/dlの血糖を300mg/dlまで抑制し、その血清中にヒトインシュリンを検出した。AAV2投与後6週間目でのFCM解析の結果、ヒト肝臓領域に多く遺伝子導入されていた。従って、ヒト化肝臓マウスは、AAVを用いた遺伝子治療の評価に適しており、AAV2- Pdx1-Ngn3-GFPおよびAAV2- Pdx1-GFPはAAV2- Pdx1-Ngn3-GFPおよびAAV2- Pdx1-GFPは、糖尿病治療に急性的に効果を示すことがマウスを用いた「ヒト」での実験で明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件)

  • [雑誌論文] Forced expression of PDX-1 gene makes hepatoma cells to acquire glucose-responsive insulin secretion while maintaining hepatic characteristic.2015

    • 著者名/発表者名
      Haruo HASHIMOTO, Yuichiro HIGUCHI, Kenji KAWAI.
    • 雑誌名

      Cellular & Molecular Biology

      巻: 61 ページ: 21-29

    • DOI

      10.14715/cmb/2015.61.1.4

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] スンクスの嘔吐を強化する遺伝的要因は雄に存在する可能性.2015

    • 著者名/発表者名
      江袋 進、橋本晴夫、冨澤政史、何 裕遥、小倉智幸、樋口裕一郎、桑畑 玲、寺
    • 雑誌名

      実験動物技術

      巻: 50 ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 2型糖尿病モデルIRS-2ノックアウトマウスにおける遺伝的背景、129+Ter/SvおよびC57BL/6JJcl系統の比較.2014

    • 著者名/発表者名
      橋本晴夫,新井敏郎,川井健司,窪田直人,植木浩二郎,日置恭司,斎藤宗雄,大西保行,上山義人,門脇孝,伊藤守.
    • 雑誌名

      実験動物技術

      巻: 49 ページ: 3-12

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-06-01  

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