研究課題
本研究は、一般的に臨床のルーチン測定として用いられているMRI測定方法の一つである拡散テンソル画像(Diffusion Tensor Image: DTI)を解析することにより「脳深部温度」という新たな鑑別項目を提供することを目的とする。ファントム測定によりDTI撮像パラメータの最適値を得て、それらを臨床測定に適用する。さらに、データ解析手法を開発し、適正な値を提出して脳内の代謝や病態把握のための新たな指標を温度という馴染みやすい値で提供する。平成27年度は、主にトラウマ患者における状況の再現をファントムにより検討し、実際のトラウマ患者の出血度合いと計測される温度の関係を調査した。その結果、臨床的に出血の度合い判定に用いられるFisher Scaleと血液混入により過少評価される温度との間に関係が見られた。また、他の疾患への応用例として、パーキンソン病、多系統萎縮症患者間の脳温度に差異があることが見出された。さらに、正常圧水頭症患者において有意に脳温の低下が観察された。また、健常女性における生理周期と脳温度の関係についても知見を得ることができた。さらに、脳実質について、本法以外のMRIに基づく手法との比較も行い、相関があることが分かった。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Japanese Journal of Radiology
巻: 34 ページ: 277-283
10.1007/s11604-016-0519-5
Brain and Behavior
巻: 5 ページ: e00340
10.1002/brb3.340
Magnetic Resonance in Medical Sciences
巻: 14 ページ: 305-312
10.2463/mrms.2014-0076
International Journal of Complex Systems - Computing, Sensing and Control
巻: 3 ページ: 169-180