研究課題
本研究において、微細テーパー管の内部をセンシング部位とする低侵襲型センサの作製を行ってきたが、25年度に行った研究の結果、管の内部深くまでグルコースが入り込める構造の場合、センサ応答が定常状態に到るまでの時間(センサ応答時間)が長く、センサ応答速度が遅いことが分かった。その解決策として25年度からテーパー管の内部に接着剤の導入し、管内部深さの制限を行った。26年度も同様の方法を進め、センサ応答速度の改善は見られたものの、作製法が複雑になり、作製再現性は低下した。そこで26年度は白金管の使用せず、テーパー化した微細PEEK管の内部に白金線を有した低侵襲型センサの作製を試みた。なお、先端部の白金線は電解研磨等により、エッチング可能であった。また、内径0.20 mmのPEEK管に直径0.17 mmの白金線を挿入したため、PEEK管と白金線の隙間が生じた。隙間を埋める方法として、加熱収縮処理及び接着剤の使用を検討したところ、体積変化の少ないアラルダイドの使用が有効であった。一方、PEEKボードの3D切削加工機による電極作製も試みたが、微細テーパー化およびその先端内部への白金電極設置が困難であった。そのため、本研究では、PEEK管を用いるセンサ作製に統一した。また本センサでは、これまでのようにAg/AgCl参照電極をテーパー管の内部に設置することが不可能であったことから、PEEKのテーパー管の外部側面に銀薄膜を形成し、参照電極とした。センサの評価は、一般的なリン酸緩衝溶液を用いたバッチ法に加え、寒天で作った人工皮膚モデルによるフローシステム測定、および実験動物を用いたインビボ測定を行った。いずれの測定においても、センサ性能の改善が確認された。なお、実験動物として人間の皮膚に近いヘアレスマウスを使用していたが、26年8月に使用できなくなったため、ウサギを用いた測定に切り替えた。
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化学センサ
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Modern Physics Letters B
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