本研究では,(1)癌死滅効果に及ぼす合金組成や試料形状の影響,(2)癌細胞の死滅機構, (3)水素貯蔵合金マイクロアクチュエーターの動作特性の評価について調査した。最適合金組成はPd-5at.%Niであり,バルク状試料では試料から2-3 mmの範囲が死滅する。Pd-7at.%Fe合金は癌細胞ならびに正常細胞ともに死滅が見られたが,Pd-5at.%Fe合金では,明瞭な選択的癌死滅効果が見られた。癌細胞の死滅機構に関しては蛍光試薬を用いて検証を行った。さらに薄板状水素吸蔵合金表面へのPdコーティング,銅メッキ厚及び試料形状の最適化により曲げ変形特性が飛躍的に改善されることを明らかにした。
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