研究課題
光アドレス電位差センサ(LAPS)は、界面に分子が吸着したときの吸着分子に由来する表面電位の変化を、光電流の変化として検出するセンシング方法である。本研究は、医学診断用の分子間相互作用イメージング装置および境界のないマルチバイオセンサとしてLAPSの応用範囲を広げることを目的として、タンパク質のパターンなどを再現性良くセンサ素子上に転写する方法を確立して、LAPSの有用性の実証を目指すものである。研究実施計画に従って、当該年度は、LAPS分子間相互作用イメージングシステムの構築のためのハードウェア開発を進めた。LAPSの機械的なXY掃引システムの構築に関しては、パソコンのCDドライブに用いられている、レーザー素子とレンズ自体をスキャンさせるレーザー掃引システムを転用していたが、電位の精密スキャンも必要であった。そのため、ソースメータを用いることで電位の精密スキャン制御を伴うLAPS制御システムを構築した。ソースメータを用いた電位の精密制御システムとの同期、ステッピングモーターを位置決め用に制御するためのソフトウェアも含めた調整、焦点距離の調整、CADソフトによるLAPSセル設計、およびLAPSデバイス実機のための電極セル作製などを行って完成を目指した。また、センサの界面修飾技術に関連する成果としては、標的分子の電荷を検出する特性を生かして、標的分子の電荷をさらに増強させる化学修飾、および吸着分子を用いた、信号を増強する手法の開発に進捗が見られた。
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