本研究では、コラーゲンゲルに包埋した樹立筋芽細胞の伸張培養によって作製した三次元培養骨格筋を、工学的に応用することを目的としている。特に、福祉ロボットやマイクロマシンなどへ応用することを最終目標としており、これまで得られいた長さ約15mm、直径約0.5mmの培養骨格筋を、ソフトアクチュエータとして利用するための研究開発を行った。具体的には、3つの課題において改良ならびに検討を行った。すなわち、課題1.培養骨格筋の長大化、課題2.屈筋-伸筋構造による屈伸運動機構の導入、課題3.1ヶ月間の駆動期間を目標とした体外培養機構の開発、である。 本年度は、課題2について、マイクロデバイスに培養骨格筋2本を組み込み、各筋を個別に駆動し得る電気刺激システムを構築について検討した。その結果、培養筋と並行に電極を組み込み、電界分布を適切に制御することで、同一媒体中での培養筋駆動のめどが立った。 現在、これらの成果について英語論文を作製して投稿し、再修正中である。
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