研究課題/領域番号 |
24500526
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三好 浩稔 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70292547)
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研究分担者 |
大川 敬子 筑波大学, 医学医療系, 講師(Lecture) (30251052)
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キーワード | 造血幹細胞 / ストローマ細胞 / 胎仔肝臓細胞 / 固定 / 凍結保存 / 分化・増殖 / 三次元培養 / ティッシュ・エンジニアリング |
研究概要 |
造血幹細胞移植やバイオ人工肝臓の開発に応用できるような培養技術を確立することを目的として、固定処理した三次元培養フィーダー細胞上で未分化細胞を培養する方法について検討した。本年度は、フィーダー細胞として前年度から用いてきた C3H マウス 10T1/2 細胞株に加えて、新たに OP9 細胞株を用いた実験も行うことで、これらの細胞株の違いが未分化な造血系細胞の増幅度におよぼす影響について調べた。 実験では、三次元培養担体を用いてフィーダー細胞を培養したのち、細胞を担体ごとグルタールアルデヒドで固定処理した(三次元固定処理)。細胞を含んだ担体を洗浄後、この担体に未分化な造血系細胞を含むマウス胎仔肝臓細胞を播種して2週間培養することで、造血系細胞を増幅した。コントロール実験としては、良好な結果が得られることが確かめられている三次元凍結保存処理を、三次元固定処理の代わりに用いた。 造血前駆細胞(c-kit 陽性細胞)と造血前駆・幹細胞(CD34 陽性細胞)の増幅度を指標として未分化な造血系細胞の増幅度を調べた結果、10T1/2 細胞ではそれぞれ 9.6 倍と 17 倍、また OP9 細胞では 7.0 倍と 8.8 倍に増幅された。これらの増幅度は、コントロール実験の結果と比較しても高い値であった。 以上の結果から、三次元固定処理したフィーダー細胞を用いる造血系細胞の培養法は、未分化な造血系細胞の増幅に適していることが確かめられた。また、フィーダー細胞としては 10T1/2 細胞が適していることも明らかになった。一方、ヒト臍帯血由来の造血系細胞を増幅するための予備実験として、培養に適した培地の検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、2種類のストローマ細胞を用いて造血系細胞の増幅実験を行い、増幅に適したストローマ細胞の選定を行った。長期培養実験であるにもかかわらず十分な実験数が得られ、本年度の2種類も含めてこれまでに用いた3種類ストローマ細胞の中では 10T1/2 細胞が最適であることも確かめられたことから、予定通り研究を遂行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
造血系細胞を培養系で増幅する場合には造血系細胞の播種密度が増幅度に影響すると考えられるものの、本研究では検討していない。とりわけ三次元培養系では、播種密度が増幅度におよぼす影響に関する報告が少ないことから、これらの点をマウスの細胞を用いた培養実験において優先的に検討する予定である。具体的には、現在の実験条件ではマウス胎仔肝臓細胞をかなり高密度で播種していることから、低密度で播種した場合の造血系細胞の増幅度も並行して調べる。 ヒト臍帯血を用いた培養実験も継続して行うことで、臍帯血に含まれる造血系細胞を効率的に増幅できるような条件を検討する。以上の実験を優先し、時間的余裕があれば、マウス胎仔肝臓細胞から肝機能を発現させるための実験も実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
残金よりも少額の物品を購入する必要が無かったため、次年度に繰り越して使用する方が有効だと判断した。 物品費に加算して、物品の購入に充てる。
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